独自性とは?他社と違うだけでは、まだ独自性ではない
違うだけなら、誰でも明日からつくれる。
ひとことで言うと

独自性とは、
くわしく
「他社と違う」だけでは、独自性とは言えません。お客様にとって得にならない違いは、選ばれる理由にならないからです。私は差別化を「顧客のベネフィットとなる、自社の突出した強み」と教えています。そして、もし今なければ、育てるものです。
つまり私の言う差別化は、違いをつくることではなく、お客様の得になる強みそのものです。この記事では、その強みを「独自性」と呼びます。
私の講義では、独自性を探す切り口を7つに分けています。
- 機能的価値:商品やサービスの働きの独自性
- 情緒的価値:お客様の気持ちに届く独自性
- 顧客の属性:お客様の層に関する独自性
- 競合との違い:競合とはっきり違う点
- 競合との類似:違いを出せないが、備えておくべき点
- 購買の独自性:買い方・買いやすさの独自性
- 利用時の独自性:使い方・ブランド体験の独自性
5番目は見落とされがちです。全部で違おうとせず、当たり前に備える点を決めることも、独自性を磨く条件です。
私はこれを「シェフとキッチン」にたとえます。シェフは、他社と違ったことを「行う」ポジショニング。キッチンは、他社と違ったものを「持つ」組織の能力で、まねができません。この両方がそろうほど、独自性はまねされにくくなります。
よくある失敗
- お客様の得にならない違いを、強みだと思いこむ
- 全部で違おうとして、備えるべき当たり前が抜ける
- 「うちにはない」と決めつけて、育てることをあきらめる
例
町の電器店は、価格では大型店に勝てません。でも「電話一本で、その日のうちに来てくれる」ことは、大型店がまねしにくく、高齢のお客様にとっては大きな得になります。これが独自性です。(ここでは、わかりやすくするための仮の例です)
中小企業ではどう使う?
- お客様に「なぜ、うちを選んだのか」を聞く
- その答えのうち、他社がすぐまねできないものに印をつける
- 印のついたものを一つだけ選んで、磨く(なければ、育てる)
4つの要素とのつながり
独自性は戦略の中心です。何を強みにしたいかは哲学が決め、まねできない力は組織の中で育ち、コミュニケーションでお客様に伝わって初めて選ばれる理由になります。
最後に
「うちには独自性がない」。そう口にする経営者は少なくないでしょう。でも、本当にないのではなく、まだ磨いていないだけのことが多いのです。お客様の得になる強みを一つ選び、なければ育てる。その覚悟を決めた会社は、価格で比べられる場所から離れていけます。戦わないブランディングの真ん中にあるのは、この独自性です。
関連する言葉
差別化/競争優位/コアコンピタンス/ポジショニング