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他者との立ち位置に違いをつけるポジショニング

前回まで、STP戦略のSとTに関するお話をさせていただきました。今回は、Pのポジショニングを学んでいきたいと思います。ポジショニングは、マーケティングのKPIやKGIの是非にダイレクトに影響を与えます。しかし、正しく活用できている人は少ないのではないでしょうか。きちんと正しく理解し、活用できるように解説を進めていきますので、どうぞ自社においても活用していただきたいと思います。あなたにしっかりと理解いただけるように、ポジショニングとその切口や軸についても深めていきたいと考えています。

ポジショニングの意味

ポジショニングとは、「ポジション+ING」であり、その名の通り場所取りと言えるのではないでしょうか。では、何の場所かといえば、事業における競合他社のポジションと異なる場所取りのことです。同時にそのポジションは消費者にとって魅力的に映る領域でなければなりません。

例えば、競合他社が取り組んでいることに、あえて取り組まないとを決めることだったり、高価格帯に対して低価格帯で攻めることだったり、様々な座標軸によって比較し違いを見つけ出すという意味での領域のことです。当社において、ポジショニングを定義づけるとするならば、「消費者にとって魅力的でありながら、競合他社との立ち位置の違いを明確にすること」と言えると思います。補足をすると、競合他社との違いを明確にしながら、消費者にとって喜んでもらえる隙間を見つけることと言えます。

また、競合他社と競争をするためではなく、競争をしなくて済む領域を見つけることです。自社のブランドに対してファンになってもらいやすくするために、競合他社と迷わせてしまうようではなかなかファンになることは難しいと思います。ポジショニングは、競争をしないため、つまり「戦わないブランド」になるための重要なプロセスになります。

ポジショニングの好事例

さて、ポジショニングをより理解するために1つ事例を挙げてみたいと思います。ポジショニングの狙いとしては、他社との違いを明確にしながらも、消費者のマインドシェアを奪えるものでなければなりません。

例えば、あなたは日本サンガリアベバレッジカンパニーという会社をご存知でしょうか?サンガリアという飲料ブランドでよく知れ渡っている会社になります。独自の商品構成でニッチな市場を攻めいているブランドですね。年商は約400億円近くにも登ります。

あなたの目には、サントリーや伊藤園などの花形のブランドには映らないかもしれませんが、100円ショップやディスカウントストアでよく見かけるブランドです。朝日放送で放送されていた番組「ごきげん!ブランニュ」との企画により「みっくちゅじゅーちゅ」を発売し、多くの店頭で目にすることがありました。シェアを奪い合う飲料メーカーの中で独自の価値を作り上げ、立派な会社に成長されています。

従業員数も400名ほどですが、冷凍対応ペットボトル飲料「氷晶」などユニークな商品づくりもサンガリアの強みではないでしょうか。テレビCMも「1,2,サンガリア♫」のフレーズが頭に残っています。最近は「伊賀 天然水の探査飲水」で小泉孝太郎さんがCMに登場されていました。

飲み物としてのブランドは、他の大手ブランドが有名かもしれません。しかし、安くて気軽にどこでも買える飲み物としてサンガリアが選ばれていることも事実ですね。つまり、ポジショニングの本質は、独自の強みの最適化と言えるのではないかと思います。どこかが取り組んでいる商品づくりではなく、当社にしかできないものの追求こそがポジショニングの意味のある活用の仕方と言うことができます。

ポジショニングを安易に差別化とは解釈しない

ポジショニングの本質をお話しました。ポジショニングは独自の強みの最適化といえます。しかし、時としてポジショニング=差別化と安易に解釈してしまうことがあります。ポジショニングは、他社と差別化することを踏まえつつも、独自の強みの伸ばすことを最も重要視します。

皆さんはポジショニングをする時に縦軸と横軸で自社の商品やサービスの立ち位置を決めていくと思います。ポジショニングマップというものは単に2つの軸で視覚化するツールですが、競合ブランドとの差別化を重視しすぎると本来の目的を見失ってしまいます。差別化とは、他社との比較の上で、自社ブランドの優位性をつくることを前提としていることから、これらのことをポジショニングのゴールにしてしまうと価値が無くなってしまいます。

あなたのブランドのもっとも重要視している価値は何でしょうか?その価値がポジショニングマップによってあなたの自信を高めることにつながっているでしょうか?その逆で、不安に感じ、プレッシャーに感じ、過度な品質向上などに走ってはいませんか?そこに消費者ターゲットのニーズは隠れてしまっていませんか?大切なことは差別化では有りません。

不透明なビジネス環境の中で、あなたの事業が勝ちパターンを見つけ持続的に成長し続けるためには、他社が得意ではないくあなたが強みを発揮できる領域を見つけることが大事なのです。このブログの基本コンセプトですが、「戦わないブランド」とはそういう意味です。戦わないことを選択すると、競合ブランドでさえも味方になってくれる可能性があります。ポジショニングマップもそのような前提でぜひトライしてみてください。

ポジショニングの重要性

STP分析のポジショニングは、あなたの商品やサービスをどのように尖らせるかを考えていくことができます。そして、マーケティング戦略における外部環境分析、内部環境分析、STP分析、4P/4Aへとつながる一連のステップの重要な役割を果たすのがポジショニングである。

企業においては、部署を超えてしまったり、ブロジェクトをまたいでしまったりすることも多いため、一貫性を保つことができなければブランドの構築、つまり世界観を作り上げていくことはできない。ブランド戦略の必須の条件は誰が「トップリーダー(ブランドオーナー)」であるかです。

トップリーダーがコロコロと役割が変わったりすることは世界観を作り上げるためのブランドは積み上がっていくことが困難でしょう。そして、マーケティング担当者によって、他社との立ち位置が異なったり、消費者ターゲットが求めるニーズにフィットしなかったりするのであれば、一貫性も世界観もぶれていってしまいます。ポジショニングはまさに社内の考え方において一貫性が求められます。

ポジショニングの軸の作り方

さて、いよいよ本題に入っていきます。具体的にポジショニングの軸を立てていきたいと思います。ポジショニングの軸も慣れていないと難しいかもしれませんが、考え方をマスターすれば思考を広げてくれる良いツールになります。ポジショニングの軸は2軸を交差させることでポジショニングマップと呼ばれ、ペルソナがどのように感じるかを検討しながら構築される。

そして、その軸は視点次第でたくさん考えることができ、そのうちどれが有効な軸となるかは、適宜選んでいく必要があります。その軸の種類は、機能的価値、情緒的価値、顧客の属性、競合他社との違い、競合他社との類似、購買状況などで検討することになります。それぞれを一つづつ事例を交えて説明していきたいと思います。

ポジショニングの軸<機能的価値>

ポジショニングの軸の第1弾は機能的価値です。機能的価値とはどのような価値かといえば、ユニクロのヒートテックは着るだけで温かいという機能面を強化した典型です。本来の洋服であれば、肌を守り隠すというのが基本的な価値でしょう。その価値を最大限にまで高めたスーパーアイテムがヒートテックです。

またリーズナブルな価格を追求したブランドがしまむらと言えるかと思います。そして、アルマーニは生地や品質の高さを追求したブランドと言えます。ではこの3つのポジショニングはといえば、1つ目の縦軸は「リーズナブルと高級」軸、2つ目の横軸は「高機能と低機能」軸とします。リーズナブルで高機能がユニクロのヒートテック、リーズナブルで低機能がしまむら、高級でー高機能がアルマーニといえます。こう見ていただくと機能軸で3社がしっかりと棲み分けができていることがご理解いただけます。

ポジショニングの軸<情緒的価値>

ポジショニングの軸の第2弾は情緒的価値です。情緒的価値といえば、わかりやすいものがハイブランドの例です。例えば、ルイ・ヴィトンのバッグ。ルイ・ヴィトンというお店に行くと、品質の高い商品がずらりと並び、気持ちが高揚するという方も多いはず。そして、人々はルイ・ヴィトンのバッグを抱え街を闊歩する画が思い浮かびます。

ただしそれらのバッグは実は、袋です。ただの袋です。機能的価値としての袋でしか有りません。人々のその憧れたようすには情緒的価値が影響していると言えます。ではポジショニングの軸で考えるとどうでしょうか。ルイ・ヴィトンとグッチを比較してみましょう。

1つ目の軸は「品質が高いと低い」軸、2つ目の軸は「満足度高いと低い」軸とします。この軸はあなたの会社の強みがあるものを軸にするとよろしいかと思います。そうなると品質が高くて満足度が高い領域にルイ・ヴィトン、品質が中位で満足度は中くらいという軸の交差点あたりに位置するのがグッチです。これは私個人的な見解ですので、人によっては異なるかもしれません。私のグッチのイメージですが、小物が壊れるイメージを持っています。

いかがでしょうか?情緒的価値ということでかなり個人的なイメージを入れてしまいましたが、あなたの商品・サービスの情緒的価値をいろいろな軸でポジショニングしてみていただきたいと思います。

ポジショニングの軸<顧客の属性>

ポジショニングの軸の第3弾は顧客の属性軸です。顧客の属性軸といえば、顧客の社会的地位やライフスタイルなどによってポジショニングの軸を設定するというものです。

例えば、オロナミンCとレッドブルの事例がわかりやすいかもしれません。オロナミンCとレッドブルは同じ滋養強壮/エナジードリンク系の飲料水です。オロナミンCは古くからある日本独自の商品で、レッドブルはアメリカからエナジードリンクと銘打って参入してきました。その2つを顧客の属性ということで分けることができます。

1つ目の軸は「スポーツ系とエクストリーム系」で、2つ目は「爽やかスポーツ後とナイトクラブ後」という軸。この軸で掛け合わせると「スポーツ系と爽やかスポーツ後」がオロナミンCであり、「エクストリーム系とナイトクラブ後」がレッドブルとなります。

オロナミンCは健全なスポーツ後に好まれるイメージで、レッドブルはアングラな感じや危険なジャンルのエクストリーム系スポーツの後に好まれるイメージです。このように顧客の属性によっても軸を作れるということがこの2つになります。他にもライフスタイルや生活水準などによっていろいろな軸ができることがあります。ぜひお試しを。

ポジショニングの軸<競合他社との違いの軸>

さて、ポジショニングの軸の第4弾は競合他社との違いの軸です。競合他社との違いの軸といえば、競合他社の商品やサービス、そして、強みといった軸によって差別化を図っていきます。ここでは、他社との差別化を行った上で、あなたの商品やサービスがどのような強みをもち、ポジショニングを行うかを考えていきます。

例えば、ウッチャンナンチャンの内村光良さんと出川哲朗さんのポジショニングを例に出してみます。お二人共お笑い芸人ではすでに大成功されていることは周知のとおりですが、全くそれぞれの強みが違います。内村さんは司会や取りまとめ役が多く、出川さんは番組の中でコーナーを持ったりして主役となるなど、キャラクターや得意分野が異なります。

では、例えばコカコーラとペプシコーラではいかがでしょうか?私は、コカコーラは王道なイメージがあり、ペプシコーラは変革とか斬新な印象を持っています。ポジショニングとして考えると、1つ目は「ブランド力高いとブランド力低い」軸で、2つ目は「王道と斬新」軸が考えられます。この軸で掛け合わせると「ブランド力が高く王道」がコカコーラであり、「ブランド力は中くらいで斬新」がペプシコーラとなります。

このような軸で違いが明確になり、実際のクリエイティブにも影響が生まれてきます。この2社はよく引き合いに出されますが、詳しい戦略については、ブランド・レゾナンス・ピラミッドなどで詳しくお伝えしますが、コミュニケーション戦略が明らかに異なりますので、比較して見るだけでも楽しめると思います。王道の戦略とフォロワーの戦略が随分と違うことがこの2軸を深めていくだけでも見えてきます。

ポジショニングの軸<競合他社との類似の軸>

ポジショニングの軸の第5弾は競合他社との類似の軸です。このポジショニングの目的は、差別化が困難なものを理解し、備えることが大切であるということです。ここでは、マクドナルドとドトールで考えてみましょう。

様々な類似の要素はあると思いますが、ここでは価格帯と出店エリアで類似のポイントが考えられます。ポジショニングの軸の1つ目は「コーヒー300円未満と300円以上」軸で2つ目は「駅近と郊外」軸で考えられます。コーヒー代で300円というのは一つのボーダーではないでしょうか。300円以上ではスターバックスやホテルのラウンジでのコーヒーはまだ高い価格設定になっています。マクドナルドとドトールはターゲットが異なるように見えますが、ビジネスマンのコーヒー需要ということであれば、競合他社になりえますね。

さて軸をかけ合わせると「コーヒー300円未満と駅近/郊外の中間」がマクドナルドであり、「コーヒー300円未満と駅近」がドトールであると言えます。ビジネスマンのコーヒー需要を獲得するためには、それぞれ別々のアプローチが求められることが考えられます。

例えば、マクドナルドでミーティングは考えられにくいですし、ドトールであればちょっとしたミーティングは可能な印象を持ちます。これらのように競合他社との類似の軸を知ることでマーケティングやプロモーションが変わってくるというのは容易に想像ができると思います。競合他社との類似の軸というものは、その軸からどのような判断を行うかがこのポジショニングの生かし方になります。

ポジショニングの軸<購買状況の軸>

ポジショニングの軸、第6弾は購買状況の軸となります。あなたの商品・サービスに対して、お客様はどのような購買の方法をされていますでしょうか。通販、または小売販売ですか?そしてサブスクリプションですか?下請け、または元請けですか?先払いですか?小切手や掛売りですか?そして、クレジットカード、コンビニ決済、最近では電子マネーや仮想通貨という手段も存在します。このようにお客様からのお支払いもさまざまあると思います。

余談ですが、先日電車に乗っていた際、若い女性が現金を持ち歩かずに別料金が発生する電車に乗ってしまい、支払いができずに困っていました。そこで、私の回数券を一枚差し上げたのですが、電車を降りて若い女性がお礼を言ってくれ「ペイペイで払わせてください」と言われたのです。世の中は変化している瞬間を目の当たりにしました。現金を持ち歩かず、電子マネーのみで生活している方々がいらっしゃるのだと。

またある企業の経営者は、支払いは先に前払いで現金で支払うそうです。それは、仕入れコストを抑えるためにそのようにされているとのことでした。なるほど、そうすれば、商品を納入する方はリスクを持たずに入った現金で生産して納品すればいいので、コストを抑えられるとのことでした。購買状況の軸とはこのように購買者の支払い方法だけでも他社と差別化する方法があるとのことです。

ちなみに今の所、JRは列車内で〇〇ペイは使えません。

同じ同業者も手形を出すこともあれば、支払いサイトも6ヶ月ということもありますが、一方で現金先払いもおられます。これら違いだけでも購買者にとっては心理的なストレスは変わってきます。同じ金額を払うだけではないのです。お金を移動させることはそれだけ皆さん神経を使っているので、その点をどうあなたのビジネスに活かすことができるでしょうか?ぜひご一考くださいませ。

ポジショニングの軸のとり方<消費者との関係性>

さて、続きましてポジショニングの軸のとり方について解説をします。意思決定や事業成功の確信を得るためのポジショニングというものは、その軸のとり方にあります。大きくは4種の軸のとり方を考慮しておくことが大事です。

1、消費者との関係性
2、競合他社に対する優位性
3、新領域の創造
4、ナンバーワン

です。まずどのようなポジショニングの軸においても切り離すことができないことは、消費者との関係性です。商社にとって無くてはならない存在、そしてあなたからしか買うことができない状況になりさえすれば、競合他社とのポジショニングすら必要のなくなる話です。

ポジショニングは競合他社との差別化のためではなく、消費者にとって買いやすい状況を作るために行います。企業のあらゆる分析や戦略・戦術というものは顧客を対象に行っているのですから。

ポジショニングの軸のとり方<競合他社に対する優位性>

ポジショニング戦略で競合他社との優位性の比較は必ず検討必須事項です。競合他社があなたのブランドと競合できないような状況を以下に作り出すかにとても頭を使って考えなければなりません。

コカコーラとペプシコーラの事例で考えてみましょう。コカコーラといえば、コーラの王様ですが、ペプシコーラはそのコーラに対して相手を挑発するような広告戦略を打ち出してきました。そのポジショニングとして、ペプシコーラは若者に支持され味わいもコカコーラよりも評価が高いなど、新しさを全面に打ち出してコーラにチャレンジしてきました。

コカコーラの伝統と歴史というものが逆に足枷となってしまうようなプロモーションを展開し、コカコーラを時代遅れのような印象をもたせることに成功しました。そして、コーラの黒歴史となったニューヨークはペプシコーラに対抗するために若い層に向けて展開したものの、既存のコカコーラファンから批判を浴びてしまうという結果に陥ってしまいました。プロモーションにおいて相手の強みを逆手に取るということは高等テクニックではありますが、自社の優位性を出すためには視点を変えることも非常に有効と言えます。

ポジショニングの軸のとり方<新領域の創造>

ポジショニング戦略における新領域の創造についてですが、私が目指すブランドの在り方としての、「戦わないブランド」はこの軸のとり方を重要視しています。他の言葉で言えば、オンリーワンになる領域です。戦わないブランドというのは、様々な例が上げられます。

例えばネスカフェアンバサダーですが、こちらはネスカフェのバリスタマシンを販売するだけであれば、競合他社に真似されてしまいますが、アンバサダーによる組織を作ることによって圧倒的な競争優位性を持つようになりました。

軸で言えば、4つの矢印のどこかに、共創というキーワードが用いられます。マイケル・ポーター博士のCSV(Creating Shared Value)を実践されたのでしょう。

またデジタルの世界では、オンリーワンという確固たるポジションを作りやすいと言われています。確かにGAFAというブランドなどは自らが成長させてきた市場において圧倒的に存在感を放っています。昨今はスタートアップ企業はますます独自のサービスをオンライン上で存在感を高めてきています。戦わないブランド、つまり新領域の創造は企業にとっては非常に大事な考え方と言えるでしょう。

ポジショニングの軸のとり方<ナンバーワン>

ポジショニング戦略におけるナンバーワンとは、その領域を発見することが必要となります。世界で1番高い山は、8848メートルのエベレストと答えることができる人は多いことと思います。しかし、世界で2番めに高い山は?と聞かれて、答えることができる人はぐっと減るはずです。答えは、パキスタンと中国にまたがるカラコルム山脈のK2という山なのだそうです。つまり、ナンバーワンということは、それだけ目立つ存在ですし、ナンバーワンになる価値があるものだと思います。

では、どの領域でナンバーワンを目指すのか戦略を立てていかなければなりません。例えばお菓子業界の中でも、和菓子であればとらやが思いつきますし、洋菓子であればシャトレーゼが想像されます。さらに地域を絞れば、その近隣で名が知れているお店が消費者のイメージの中に存在するわけです。どのエリアでナンバーワンになるかということもポジショニングでは重要な軸であることは前にも共有させていただきました。

あなたはジャンルトップ、またはカテゴリーリーダーという言葉を聞いたことはありますか?まさに今回のポジショニングのナンバーワンを意味します。金平糖のナンバーワンは、京都にある緑寿庵というブランドです。歴史も古く、ブランド価値を高め、マーケティングに成功しています。ポジショニングを強化していくためには、どのジャンルでナンバーワンになれるかをぜひ考えてみてください。掘り下げていけば行くほど、穴は横に広がっていき、穴の体積はますます大きくなっていくことでしょう。

戦わないためのポジショニング戦略まとめ

ポジショニングを定義づけるとするならば、「消費者にとって魅力的でありながら、競合他社との立ち位置の違いを明確にすること」と言えます。ポジショニングは独自の強みの最適化といえますが、時としてポジショニング=差別化と安易に解釈してしまうことがあります。ポジショニングは、他社と差別化することを踏まえつつも、独自の強みの伸ばすことがなければ、価値は生まれません。

不透明なビジネス環境の中で、あなたの事業が勝ちパターンを見つけ持続的に成長し続けるためには、他社が得意ではないくあなたが強みを発揮できる領域を見つけることが大事なのです。それは画一化されてきた日本においては、突き抜けて考えることは非常に困難かもしれません。

しかし、諦めずに、顧客の声に耳を傾け、あらゆる情報を収集し取り組んでいただきたいと思います。ブランドとは、まさに自社の商品・サービスの立ち位置を決めて、他よりも優れている強みを成長させ、顧客に良い印象を持ってもらうことに他ならないのですから。