ブログ
価格競争から抜け出す方法|中小企業の戦わないブランディング
この記事の結論
価格競争から抜け出すカギは、値下げではなく、お客様との信頼を積み上げることです。「この会社に任せれば大丈夫」と思ってもらえれば、価格が一番高くても選ばれます。そのための最初の一歩は、情報発信です。
「競合が値下げしてきた。うちも下げないと、仕事が取れない」
価格競争は、中小企業の経営者にとって、いちばん苦しい戦いの一つです。値下げをすれば利益が減り、社員に還元できず、良いものをつくる余裕もなくなっていきます。
では、価格競争から抜け出すには、どうすればいいのでしょうか。私の答えは、価格で戦う土俵から降りることです。この記事では、その考え方と具体的な進め方をお話しします。
1. お客様は「価格」だけで選んでいるわけではない

「安ければ選ばれる」と思われがちですが、実際はそうではありません。
例えば、ある会社が海外の企業に提案をしたとき、競合の中で一番高い見積もりを出したそうです。それでも、相手の会社はこう言いました。
「あなたの会社が、いちばん私たちのことを考えてくれている」
価格を取るか、信頼できる仲間を取るか。相手は迷った末に、信頼を選びました。
お客様が本当に知りたいのは、「この会社に任せて、うまくいくかどうか」です。価格は、その判断材料の一つにすぎません。
2. 価格競争に巻き込まれる会社の共通点

価格競争に巻き込まれる会社には、共通点があります。それは、お客様から見て、他社との違いがわからないことです。
違いがわからなければ、お客様は価格で比べるしかありません。逆に言えば、違いがはっきり伝わっていれば、価格以外の理由で選ばれるようになります。
ここで大切なのは、違いを「つくる」ことと同じくらい、違いを「伝える」ことです。どんなに良い商品やサービスでも、伝わっていなければ、ないのと同じです。
3. ブランディングで得られる3つのメリット

信頼を積み上げ、選ばれる理由をつくる取り組みが、ブランディングです。ブランディングに取り組むと、次の3つのメリットがあります。
メリット①:価格競争に巻き込まれない
「値段はそこそこするけれど、あの会社なら安心」と思ってもらえれば、値下げ合戦に参加する必要がなくなります。安く売ることではなく、適正な価格で買ってもらうことが目的になります。
メリット②:営業の効率が上がる

新しいお客様を獲得するコストは、今のお客様にもう一度買ってもらうコストの5倍と言われています。信頼関係ができていれば、リピートや紹介が増え、営業にかかる手間とお金が減っていきます。
メリット③:採用に強くなる
「あの会社で働きたい」と思ってもらえることも、ブランドの力です。知られている会社、信頼されている会社には、人が集まります。
4. BtoBの会社こそ、ブランディングが必要

「ブランディングは、消費者向けの会社のもの」と思われがちですが、私はBtoB(企業向け)の会社こそ必要だと考えています。
企業が取引先を選ぶときも、決め手は信頼です。どれだけ見た目のいい提案書をつくっても、仕事の品質や対応に不安があれば、二度と発注されません。技術を磨くこと、関係を築くこと、相手のためにコストを工夫すること。企業努力のすべてが、ブランドに影響します。
5. 最初に取り組むべきこと:情報発信

では、価格競争から抜け出すために、最初に何をすればいいのでしょうか。私の答えは、情報発信です。
多くの中小企業が、情報発信に課題を感じています。良い仕事をしているのに、それが外に伝わっていない。だから比べられたときに、価格でしか判断されないのです。
情報発信といっても、難しく考える必要はありません。
- 自社の考え方(哲学)を、言葉にして発信する
- 仕事の裏側やこだわりを、写真や動画で伝える
- お客様の声や事例を、了解を得て紹介する
知ってもらうことが、すべての出発点です。
6. 目指すのは「戦わないブランド」

私は、中小企業が目指すべきブランドを「戦わないブランド」と呼んでいます。
自社がすでに持っている人・もの・お金・情報・お客様を見直し、他社が真似できない「お客様にとっての良さ」を磨いていく。そうすれば、無理に競争しなくても選ばれるようになり、それが長く利益を生み続けます。
価格で戦うのではなく、お客様の頭の中で「この分野なら、あの会社」と思ってもらえる場所をつくること。それが、価格競争から抜け出すいちばんの近道です。
7. ブランディングの4つの要素とのつながり

価格競争から抜け出すことは、ブランディングの4つの要素(哲学・戦略・組織・コミュニケーション)のうち、戦略の話です。
- 選ばれる理由が伝わらなければ、戦略は埋もれてしまう(コミュニケーション)
- 信頼される仕事は、社員一人ひとりの行動でつくられる(組織)
- 何を大切にするかが決まっていなければ、戦略はぶれる(哲学)
そして、お客様の反応が、戦略が正しいかどうかを教えてくれます。4つは、すべて双方向につながっています。
今日からできる、3つの問い

- お客様は、なぜ他社ではなく、あなたの会社を選んでいるのでしょうか?
- その理由は、ホームページやSNSで、きちんと伝わっていますか?
- 値下げの代わりに、お客様のためにできることは何でしょうか?
よくある質問
Q. 値下げをしないと、お客様が離れてしまいませんか?
価格だけで選んでいるお客様は、より安い会社が現れれば離れていきます。信頼で選んでくれるお客様を増やすことが、長く続く経営につながります。
Q. 中小企業でも価格競争から抜け出せますか?
抜け出せます。むしろ、社長の考えや現場のこだわりが伝わりやすい中小企業のほうが、独自の強みを打ち出しやすいと言えます。
Q. まず何から始めればいいですか?
情報発信です。自社の考え方や仕事のこだわりを、言葉や写真で伝えることから始めてみてください。
この記事の内容は、YouTubeでもお話ししています。
▶ 関連:B2B企業こそブランディングが必須|価格競争から抜け出す方法(YouTube) https://www.youtube.com/watch?v=nxyun3gmLh8
▶ 関連:BtoBブランディングとは?必要な理由と進め方を事例で解説 https://www.omnimosouq.jp/btob_branding/
▶ 関連:ブランドとは?ロゴではない本当の意味を中小企業向けに解説 https://www.omnimosouq.jp/what_is_branding/
━━━━━━━━━━━━━━━
経営者のためのブランディング勉強会
▶ 公式LINE https://line.me/ti/p/%40758vveuo
安田旬佑の発信
YouTube https://www.youtube.com/@shunsukeyasuda
note https://note.com/omnimosouq
Instagram https://www.instagram.com/the.art.of.branding.2007/
X https://x.com/omnimosouq
━━━━━━━━━━━━━━━
株式会社オムニモスーク 代表 安田旬佑