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稲盛和夫のフィロソフィ|会社の都合で人を動かす言葉ではない

社長が本気で信じていない言葉は、社員にすぐ見抜かれます。

この記事の結論
フィロソフィは、会社の都合で社員を動かすための言葉ではありません。社員一人ひとりの人生を豊かにするためのものです。京セラの稲盛和夫さんは「全従業員の物心両面の幸福」を掲げ、その考え方を社員と分かちあうことで、強い会社をつくりました。フィロソフィが浸透することこそ、本当のブランディングです。

「理念はつくったけれど、社員に響いていない」

そう感じている経営者の方は多いと思います。その理由の多くは、理念が「会社のための言葉」になってしまっていることにあります。


1. フィロソフィは、誰のためのものか

フィロソフィは誰のためか|よくある誤解:会社の方針に、社員を従わせる/稲盛和夫:全従業員の物心両面の幸福のため

フィロソフィ(哲学)と聞くと、「会社の方針に社員を従わせるもの」と思われがちです。

でも、稲盛和夫さんの考え方は違いました。京セラの経営理念の一番はじめにあるのは、「全従業員の物心両面の幸福を追求する」という言葉です。

  • 物:お給料や、生活の豊かさ
  • 心:仕事を通じた成長や、生きがい

会社のためではなく、そこで働く人の人生のため。だからこそ、社員は自分ごととして受け止めることができたのです。

2. フィロソフィと経営理念の違い

経営理念とフィロソフィ|経営理念:会社の目的と、大切にすること/フィロソフィ:一人ひとりが、どう考え、どう生きるか

経営理念は、「会社が何のために存在し、何を大切にするか」を示す言葉です。

フィロソフィは、それを一人ひとりの考え方や行動にまで落としこんだものです。「人として何が正しいかで判断する」といった、日々の判断のよりどころになります。

  • 経営理念:会社の目的と、大切にすること
  • フィロソフィ:その目的のために、一人ひとりがどう考え、どう生きるか

3. 言葉にするだけでは、浸透しない

フィロソフィを浸透させる3つ|共通の体験、共通の言葉、共通の理解

フィロソフィは、言葉にしただけでは浸透しません。

浸透させるために必要なのは、次の3つです。

  1. 共通の体験:同じ場で、同じ経験をする
  2. 共通の言葉:同じ言葉で、考えを語りあう
  3. 共通の理解:言葉の意味を、一人ひとりが自分の仕事で考える

そして何より、経営者自身が、心から共感していること。社長が本気で信じていない言葉は、社員にはすぐに見抜かれます。

4. 私がフィロソフィを大切にする理由

本当のブランディング|フィロソフィの浸透こそが、本当のブランディング。

私も、会社を経営して20年近くになります。その中で一番学んだのは、フィロソフィの浸透こそが、本当のブランディングだということです。

ロゴや広告をどれだけ整えても、社員の考え方と行動がそろっていなければ、お客様には伝わりません。反対に、社員一人ひとりが同じ哲学で動いている会社は、何も言わなくても「らしさ」が伝わります。

5. 4つの要素で見るフィロソフィ

フィロソフィを4つの要素で見る|哲学・戦略・組織・コミュニケーションは、すべて双方向につながっている
  • 哲学:全従業員の物心両面の幸福。人として何が正しいか
  • 戦略:フィロソフィにもとづいて、何をやり、何をやらないかを決める
  • 組織:共通の体験・言葉・理解で、フィロソフィを分かちあう
  • コミュニケーション:社員の行動そのものが、お客様への一番の発信になる

4つは、おたがいに影響しあっています。


中小企業のフィロソフィのつくり方

フィロソフィのつくり方|社長の言葉から始める、社員の人生にとっての意味を考える、毎日使う

フィロソフィは、どこかから借りてくるものではありません。

  1. 創業者・社長の言葉から始める:大切にしてきた判断、口ぐせ、譲れないこと
  2. 社員の人生にとっての意味を考える:その考え方で働くと、社員の人生がどう良くなるか
  3. 毎日使う:会議や朝礼で、フィロソフィにもとづいた判断の例を共有する

今日からできる、3つの問い

今日からできる3つの問い|理念は「会社のため」か「社員の人生のため」か、社長自身が、心から共感しているか、同じ言葉で語りあう場はあるか
  1. あなたの会社の理念は、「会社のため」ですか、「社員の人生のため」ですか?
  2. 社長自身が、その言葉に心から共感していますか?
  3. 社員と同じ言葉で、考えを語りあう場はありますか?

よくある質問

Q. 稲盛和夫さんのフィロソフィとは何ですか?

京セラの創業者・稲盛和夫さんがまとめた、人としての考え方や生き方、仕事への向き合い方です。「全従業員の物心両面の幸福を追求する」という経営理念が土台になっています。

Q. 物心両面の幸福とはどういう意味ですか?

お給料や生活の豊かさ(物)と、仕事を通じた成長や生きがい(心)の両方で、社員が幸せになることを目指すという意味です。

Q. フィロソフィと経営理念の違いは何ですか?

経営理念は会社の目的と大切にすることを示す言葉で、フィロソフィはそれを一人ひとりの考え方や行動にまで落としこんだものです。

Q. 中小企業でもフィロソフィはつくれますか?

つくれます。社長が大切にしてきた判断や言葉を書き出し、それが社員の人生にどう役立つかを考え、毎日の仕事で使い続けることから始めます。


この記事の内容は、YouTubeでもお話ししています。
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株式会社オムニモスーク 代表 安田旬佑