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企業理念が浸透する会社としない会社の違い|浸透させる方法

この記事の結論
企業理念の浸透とは、社員が理念の言葉を覚えることではなく、理念に共感し、その理念にもとづいて行動している状態のことです。そのためには、経営者自身が理念に共感し、社員と「共通の体験」を重ねることが欠かせません。

「うちにも経営理念はある。でも、社員に浸透している気がしない」

経営者の方から、よくこんな相談を受けます。額に入れて飾ってある。朝礼で唱和もしている。それでも、現場の判断や行動は、理念とは関係なく動いている。

それは、理念が言葉のまま止まっているからです。

この記事では、理念が浸透している会社と浸透していない会社は何が違うのか、そして理念を「行動」と「文化」にするために何をすればいいのかを、ブランディングの視点からお話しします。


1. 理念が浸透していない会社は「暗い」

浸透している会社と、していない会社|浸透していない:暗い、トップダウン、別々の方向を向く/浸透している:明るい、社員が生き生き、同じ方向を向く

少し厳しい言い方になりますが、理念が浸透していない会社は、外から見ても暗いのです。

  • 社員がワクワクしていない
  • トップダウンで、指示を待つ空気がある
  • 部署ごとに、別々の方向を向いている

社員一人ひとりは真面目に働いていても、向かう先がそろっていないので、力が分散してしまいます。

2. 理念が浸透している会社は「外から見てもわかる」

理念浸透のサイン|「あの会社らしさ」が、外から前向きな言葉で語られる。

反対に、理念が浸透している会社は、社員が生き生きとしていて、会社全体が同じ方向を向いています。

一緒に仕事をする側から見ても、「この会社にお願いすれば大丈夫だろう」という安心感があります。

そして、理念が浸透している会社は、外からの評判に表れます。「あの会社らしさって、こういうところだよね」という言葉が、取引先やお客様から自然に出てくる。その言葉が前向きであれば、理念は伝わっています。もし後ろ向きな言葉ばかりなら、理念が浸透していないサインかもしれません。

3. 事例:理念の「言葉」がなくても、一つになれる会社

大切な言葉は、一つでいい|理念の言葉は手段。大事なのは、行動に落ちているか。

私が支援している会社に、こんな会社があります。創業者が叩き上げで会社を育て、いまでは年商100億円を超える規模になりました。

驚いたのは、その会社には、きちんと文章にした経営理念がなかったことです。大切にしている言葉は「誠実」の一つだけ。それでも、社長が「こうするぞ」と決めたときには、社員全員が必ずその方向に動きます。かつて創業者が地域のために立ち上がったときには、会社が一丸となって応援したそうです。

この会社から学べるのは、理念の言葉をつくることはあくまで手段であって、大事なのは行動に落ちているかどうかだということです。

4. 「見える理念」と「見えない理念」

見える理念と、見えない理念|見える理念:言葉にした理念、考え抜いて言語化する/見えない理念:社風・文化・空気、体験と行動で育てる

理念には、2つの側面があると私は考えています。

中身
見える理念:言葉にした理念(経営理念、ミッションなど)
見えない理念:社風、文化、空気

つくり方
見える理念:考え抜いて、言語化する
見えない理念:日々の行動と、共通の体験で育てる

弱点
見える理念:言葉だけでは、行動は変わらない
見えない理念:言葉がないと、人が増えたときに伝わらない

言葉をつくることは、テクニックとして必要です。会社が大きくなり、社員が増えるほど、言葉がなければ想いは伝わりません。

一方で、言葉だけを伝えても、社員は「言葉を覚えた」だけで、行動は変わりません。見える理念と見えない理念の両方を大切にすることが、本当の意味での理念浸透です。

5. 理念を浸透させる4つのステップ

理念を浸透させる4つのステップ|経営者自身が共感する、社員と共通の体験をつくる、共通の言葉をつくる、伝え続ける

では、具体的に何をすればいいのでしょうか。

ステップ1:経営者自身が、理念に共感しているか確かめる

意外に思われるかもしれませんが、最初の一歩は社員ではなく経営者自身です。

あなたは、自社の理念に心から共感していますか? 理念を「立派な言葉」として飾っていませんか? 経営者が本気で信じていない理念は、社員にも伝わりません。

ステップ2:社員と「共通の体験」をつくる

理念は、言葉で教えるより、一緒に体験したことを通じて伝わります。一緒に困難を乗り越えた経験、一緒に喜んだ経験、一緒にお客様に感謝された経験。その体験に理念の言葉を重ねることで、言葉に意味が宿ります。

ステップ3:「共通の言葉」をつくる

共通の体験が増えてくると、社内で自然に使われる言葉が生まれます。「それって、うちらしいよね」「それは、うちらしくないよね」。こうした判断の基準になる言葉が増えるほど、理念は行動に近づきます。

ステップ4:経営者が、伝え続ける

理念の浸透に終わりはありません。経営者が、繰り返し、繰り返し、言葉と行動で伝え続けることです。一度伝えたから大丈夫、ということはありません。

6. 理念浸透は、社員を育てる責任でもある

理念浸透とは|社員を成長させ、一人前に育てる責任でもある。

理念を浸透させるということは、社員を成長させ、一人前の人間に育てる責任を、会社が負うということでもあります。

理念に共感し、自分ごととして動ける人が増えるほど、社員は成長し、会社も強くなります。

7. ブランディングの4つの要素とのつながり

ブランディングの4つの要素(すべて双方向)|哲学・戦略・組織・コミュニケーションは、すべて双方向につながっている

私は、ブランディングを「哲学・戦略・組織・コミュニケーション」の4つで考えています。理念は哲学にあたりますが、哲学だけでは何も起こりません。

  • 哲学が浸透すると、組織が一つになる
  • 組織が一つになると、社員の応対や発信(コミュニケーション)に一貫性が出る
  • 一貫性のある会社は、価格で比べられにくくなる(戦略)

そして逆に、現場の行動やお客様の反応が、理念を磨き直すこともあります。4つは、すべて双方向につながっているのです。


今日からできる、3つの問い

今日からできる3つの問い|社長は、理念に心から共感しているか、社員は、理念を自分の言葉で説明できるか、最近、理念を一緒に体験したか
  1. 社長であるあなたは、自社の理念に心から共感していますか?
  2. 社員は、理念を「自分の言葉」で説明できますか?
  3. 最近、社員と一緒に「理念を体験した」と言える出来事はありましたか?

よくある質問

Q. 経営理念がなくても、会社はうまくいきますか?

言葉としての理念がなくても、強い文化を持つ会社はあります。ただし、社員が増えるほど、言葉がなければ想いは伝わりにくくなります。見える理念(言葉)と見えない理念(文化)の両方を育てるのがおすすめです。

Q. 理念を唱和するだけでは浸透しませんか?

唱和は、言葉を覚えるきっかけにはなります。ただ、それだけでは行動は変わりません。共通の体験と、判断の基準になる言葉を増やすことが大切です。

Q. 理念浸透は、誰から始めればいいですか?

まずは経営者自身からです。経営者が理念に共感していなければ、社員にも伝わりません。


この記事の内容は、YouTubeでもお話ししています。
▶ 関連:【企業理念の浸透】理念が浸透する会社と浸透しない会社の違い(YouTube) https://www.youtube.com/watch?v=uSW1tpqAuUE
▶ 関連:ブランドとは?ロゴではない本当の意味を中小企業向けに解説 https://www.omnimosouq.jp/what_is_branding/

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