京セラフィロソフィとは?公式サイトで読む経営理念と判断基準、実践する経営者の見方
この記事の結論
京セラフィロソフィとは、京セラが公式サイトで、社員一人ひとりの行動指針となる考え方と位置づけているものです。判断基準・行動原理は「人間として何が正しいのか」。その周りを「正しい判断」「利他の心」「全員参加の経営」「ひたむきな努力」「新たな挑戦」の5つの要素が支えると、公式は説明しています。私は、フィロソフィを頭で分かる段階と、血肉にする段階がある言葉だと考えます。後者は、実践してしか届きません。
「京セラフィロソフィを知りたい」
そう検索した経営者の方に向けて、京セラの公式サイトの記載を読み、そのうえで、フィロソフィを学び、自社の経営で実践してきた私の見方を書きます。
1. 京セラフィロソフィとは
京セラは、1959年4月1日に「京都セラミック株式会社」として設立されました。公式の沿革によると、従業員は28名でした。創業者は稲盛和夫さんです。
公式サイトは、京セラフィロソフィを、社員一人ひとりの行動指針となる考え方、と説明しています。判断基準・行動原理は「人間として何が正しいのか」です。
2. 公式サイトで読める、京セラの言葉

社是
公式サイトの記載(短い引用と私の言いかえ):「敬天愛人」。公明正大で謙虚な心で仕事にあたり、天を敬い、人・仕事・会社・国を愛する心
経営理念
公式サイトの記載(短い引用と私の言いかえ):「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。」
経営思想
公式サイトの記載(短い引用と私の言いかえ):「社会との共生。世界との共生。自然との共生。」=「共に生きる」を企業活動の基本に置く
フィロソフィの5つの要素
公式サイトの記載(短い引用と私の言いかえ):「正しい判断」「利他の心」「全員参加の経営」「ひたむきな努力」「新たな挑戦」
公式の「心をベースに経営する」のページには、資金も信用も実績もない小さな町工場から出発し、頼れたのは技術と、信じあえる仲間だけだった、とあります。社員が働いてよかったと思える会社を目指した、心のつながりを基盤とする経営が原点だ、と述べています。
ここからは、私の読みです。経営理念の最初に置かれているのは、お客様でも株主でもなく、全従業員の物心両面の幸福です。そのうえで、社会への貢献が来る。この順番が、フィロソフィ全体の土台になっていると、私は読みます。
3. 「頭で分かる」と「血肉になる」は、違う

ここからは、実践する側の私の話です。
私は、京セラフィロソフィを学び続けています。そこで強く感じるのは、頭の中で理解している間は、何も変わらないということです。
私が経営でいちばん試されるのは、ピンチのときです。2015年から、映画「Chocolate Road」を作りました。9か国を回って撮影し、本業でお金をつくっては、映画に回す。キャッシュは、本当に大変でした。何度も諦めそうになりながら、2019年に、ぎりぎりでやり抜きました。そんなときに支えになるのは、頭で分かっている言葉ではありません。うまくいかないとき、さらに努力できるかどうか。それは、フィロソフィを頭だけで分かっているうちは、変わりません。
だから、とにかく実践して、血肉にするしかないと、私は考えています。本当にうまくいかないときに、はじめて、その言葉がしみてくる。経験したことのある経営者の方は、うなずいてくださると思います。
学び続けるほど、分かっているはずがない、という気持ちも強くなります。フィロソフィは、分かったと思った時点で止まる言葉ではありません。謙虚に、努力を重ねる。それが、私の向き合い方です。
4. 京セラフィロソフィを、4つの要素で読む
私は、ブランディングとは経営の全てであり、その活動であると考えています。フィロソフィは、4つの要素のうち、哲学の言葉です。そして、4つのすべてにつながっています。
- 哲学: 何のために存在するのか。経営理念が、全従業員の幸福と、社会への貢献を挙げています
- 組織: 同じ方向を向いて、実現できるか。5つの要素にある「全員参加の経営」は、公式が、経営情報を共有し、誰もが会社の成長を考えて主体的に行動すること、と説明しています
- コミュニケーション: お客様に、どんな気持ちを抱いてほしいか。「利他の心」を持つ社員の一つひとつの行動が、お客様の印象をつくります
- 戦略: どうすれば、戦わずに選ばれるか。判断の基準を持つ会社は、目先の競争に振り回されない選び方ができます
4つは上下の関係ではなく、たがいに影響しあいます。フィロソフィを実践する経験が、哲学の言葉を磨き直します。
戦わないブランディングの定義は、下の記事に書いています。社員が同じ判断基準で動く会社は、他社がまねできない、組織の力を持ちます。社員が同じ判断基準で動く会社は、他社がまねできない、組織の力を持つことになります。
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自社の判断基準を、書き出してみる
社員が10人でも、判断の基準は書き出せます。
- 最近、迷った判断を3つ書き出す。 値引き、人の採用、断る仕事など、判断に時間がかかった場面です
- そのとき、何を基準に決めたかを、一言で書く。 書けなければ、基準がまだ言葉になっていません
- その基準を、社員に聞いてみる。 社長と同じ言葉が返ってくるか。ここが、フィロソフィの出発点です
- ピンチの場面で、使えたかを振り返る。 使えなかった場面が、次に磨く一行です
京セラは、創業時の28名のときから、心のつながりを大事にしてきたと、公式に書いています。会社が小さいうちにこそ、基準を言葉にする意味があります。
地域の中小企業のブランディングについては、ブランディング会社のページで、考え方と進め方をまとめています。
よくある質問
Q. 京セラフィロソフィは、何項目ありますか?
この記事では、項目の数は示しません。公式サイトで確認できたのは、判断基準「人間として何が正しいのか」と、5つの要素の名前までです。詳しくは、京セラの公式サイトをご覧ください。
Q. アメーバ経営とは、何ですか?
この記事では、アメーバ経営の定義は書きません。京セラの公式ページには、小さな単位ごとに採算を見て、仕事の結果が誰にでも分かるようにする、という記述があります。
Q. 社是の「敬天愛人」は、どう読みますか?
「けいてんあいじん」と読みます。公式は、公明正大で謙虚な心で仕事にあたり、天を敬い、人・仕事・会社・国を愛する心、と説明しています。
この記事は、京セラの公式サイトをもとに、実践する側の私の見方で読み解いたものです。
出典:京セラ「経営理念」 /同「京セラフィロソフィ」https://www.kyocera.co.jp/philosophy/ /同「How The Philosophy Works」https://www.kyocera.co.jp/philosophy/how/ /同「沿革(〜1979年)」https://www.kyocera.co.jp/company/history/until1979.html
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