値上げできる会社の価格の決め方|30万円と1000万円の差
同じホームページが、30万円でも1000万円でも売れています。
この記事の結論
値上げできる会社は、お客様にとっての価値で価格を決め、その価値を情報で伝えている会社です。値上げできない会社は、相場やコストだけで価格を決め、良さを伝えていません。値上げは「お願い」ではなく、価値の交換です。
材料費も、人件費も、電気代も上がり続けています。
それでも、「値上げしたら、お客様が離れてしまう」と、価格を上げられずにいる経営者の方は多いのではないでしょうか。
一方で、同じ業界の中にも、堂々と値上げをして、それでもお客様に選ばれ続けている会社があります。
この差は、どこから生まれるのでしょうか。
1. 価格の決め方は、3つしかない

価格の決め方は、むずかしく考えなければ、大きく3つです。
- 相場で決める:まわりがいくらで売っているかに合わせる
- コストで決める:かかった費用を積み上げ、利益をのせる
- お客様の価値で決める:お客様がどれだけ得をするかで決める
給料にたとえると、分かりやすくなります。
- 「同じ年代の人は25万円だから、自分も25万円」。これが相場
- 「生活費がこれだけかかるから、30万円ほしい」。これがコスト
- 「会社に5,000万円の売上をつくるから、50万円ください」。これが価値
3つ目なら、会社も払いやすくなります。5,000万円売ってくれるなら、50万円払っても得だからです。価値の交換が成り立つのです。
2. 値上げできない会社は、「相場」と「コスト」で決めている

値上げできない会社の多くは、相場とコストだけで価格を決めています。
相場で決めると、まわりより高くはできません。コストで決めると、「原価が上がったから値上げします」としか言えません。どちらも、お客様にとっての理由がないのです。
そして、同じような商品が並んでいれば、お客様は安いほうを選びます。文房具などが典型ですが、違いが伝わらなければ、価格競争に巻き込まれていきます。
3. 同じホームページでも、30万円と1,000万円がある

私たちの仕事でいえば、ホームページの制作がそうです。
同じ「ホームページ」でも、30万円でつくる会社もあれば、1,000万円以上かける会社もあります。
1,000万円かけるのは、そのホームページで何十億円も売上をつくる会社です。その会社にとっては、1,000万円でも安い投資です。反対に、小さな会社にとっては、30万円でも「もう少し安くなりませんか」となります。
つまり、価格は誰に売るかで変わります。
- うちの会社は、どんなお客様に売るのか
- そのお客様に、どれだけの価値をつくれるのか
ここを決めることが、値上げの出発点です。これは、ブランディングでいう戦略の話です。
4. 値上げするなら、「伝える」ことが欠かせない

価値で価格を決めても、それが伝わらなければ、お客様には高く見えるだけです。
日本の商品は、細かさ、品質、アイデアのどれをとっても、世界で一番だと私は思っています。ニューヨークで暮らしてみて、それを強く感じました。それなのに安く売られてしまうのは、良さを伝えていないからです。
値上げするときは、次のことを伝えます。
- なぜ、この価格なのか(素材、手間、技術、想い)
- 値上げで、お客様に何が良くなるのか
- この会社が、何を大切にしているのか
商品の価値を上げるだけでなく、情報にも価値をのせる。これが、これからの時代の値上げの条件です。
5. 値上げすると、お客様が入れかわる

値上げすると、離れていくお客様もいます。それは自然なことです。
その代わりに、価値を分かってくれる新しいお客様が来てくれます。アメリカでは、家賃も給料も、毎年上がるのが当たり前でした。日本も、物価が上がり続ける時代に入っています。
「いまのお客様を全員守る」ことを目標にすると、値上げはできません。「この価値を分かってくれるお客様に、選ばれ続ける」ことを目標にすると、値上げは自然な一歩になります。
6. 4つの要素で見る「値上げできる会社」

値上げは、価格だけの問題ではありません。ブランディングの4つの要素すべてがかかわります。4つは、おたがいに影響しあっています。
- 哲学:私たちは何を大切にし、なぜこの仕事をするのか。値上げしても守りたい理由になる
- 戦略:誰に売り、どんな価値をつくるのか。価格の根拠になる
- 組織:社員が自信をもって、価格の理由を語れるか
- コミュニケーション:その価値が、お客様に伝わっているか
今日からできる、3つの問い

- あなたの会社の価格は、「相場」「コスト」「価値」のどれで決めていますか?
- お客様は、あなたの会社から買うことで、どれだけ得をしていますか?
- その価値は、ホームページやSNSで伝わっていますか?
よくある質問
Q. 値上げできる会社とできない会社の違いは何ですか?
値上げできる会社は、お客様にとっての価値で価格を決め、その価値を伝えています。できない会社は、相場やコストだけで価格を決め、良さを伝えていないことが多いです。
Q. 中小企業の価格の決め方には、どんな方法がありますか?
相場で決める、コストで決める、お客様の価値で決める、の3つです。値上げを考えるなら、お客様の価値で決める考え方を取り入れることが大切です。
Q. 値上げをするとお客様が離れませんか?
離れるお客様もいます。その代わり、価値を分かってくれる新しいお客様が来ます。価格の理由を正直に伝えることで、残ってくれるお客様との信頼も深まります。
Q. 価格転嫁を進めるには、何から始めればいいですか?
まず「誰に売るのか」「そのお客様にどんな価値をつくるのか」を決めることです。そのうえで、価格の理由をお客様に伝える情報発信を始めます。
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