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心理的安全性とは|中小企業がぬるま湯にならずに人が育つ条件

心理的安全性は、やさしい職場のことではありません。

この記事の結論
心理的安全性とは、ただ居心地がいいことではありません。「ここにいていい」という安心と、「挑戦していい」という環境が、両方そろっている状態です。そして心理的安全性は、制度からではなく、上に立つ人が「この人を成長させたい」と思う意思から生まれます。

「最近、心理的安全性という言葉をよく聞くけれど、つまり社員にやさしくすればいいのか」

そう思っている経営者の方も多いのではないでしょうか。実は、そこに大きな誤解があります。


1. 心理的安全性は「ぬるま湯」ではない

人が育つのはどちらか|ぬるま湯:安心だけあって、挑戦がない/心理的安全性:安心と挑戦の、両方がある

心理的安全性とは、組織の中で「ここにいていい」「何を言っても否定されない」と感じられる状態です。

でも、居心地のいい場所(コンフォートゾーン)にいるだけでは、人は成長しません。人が伸びるのは、少しだけ居心地のいい場所から出て、挑戦しているときです。

  • 安心だけあって、挑戦がない → ぬるま湯。人は育たない
  • 挑戦だけあって、安心がない → 不安でつぶれる
  • 安心と挑戦の両方がある → 人が育つ

心理的安全性とは、この3つ目の状態のことです。

2. 組織には「進化の段階」がある

組織の5つの段階|赤:強いリーダーが力で率いる、琥珀:役割と階級がはっきりしている、オレンジ:成果と実力で評価する、緑:文化と関係性を大切にする、ティール:一人ひとりが考えて動く

組織のあり方には、いくつかの段階があると言われます。色で表すと、こうなります。

  1. 赤:強いリーダーが力で率いる組織
  2. 琥珀(茶):役割と階級がはっきりした組織(昔ながらの役所など)
  3. オレンジ:成果と実力で評価する組織(多くの大企業)
  4. 緑:家族のように、文化と関係性を大切にする組織
  5. ティール(青緑):一人ひとりが自分で考えて動き、全体として生き物のように動く組織

どれが正しい、というものではありません。自分たちがどんな組織でありたいかを考えるための地図です。

3. ティール組織は、人の体に似ている

ティール組織の3つの特徴|自分で考えて動ける、その人らしさを持ちこめる、存在目的がはっきりしている

ティール組織は、よく人の体にたとえられます。

私たちの体は、脳がすべての細胞に指示を出しているわけではありません。一つひとつの細胞が、自分の役割を果たしながら、まわりと連携し、環境に合わせて動いています。

ティール組織も同じです。

  • 一人ひとりが、自分で考えて動ける(セルフマネジメント)
  • 仕事の顔だけでなく、その人らしさを持ちこめる(全体性)
  • 組織が何のために存在するかが、はっきりしている(存在目的)

そして大切なのは、「この仕事を通じて、自分も幸せになれる」と感じられることです。

4. 心理的安全性は「意思」から生まれる

心理的安全性が生まれるところ|上に立つ人の「この人を成長させたい」という意思。

心理的安全性は、制度やルールをつくれば生まれるものではありません。

上司や社長が「この人を成長させたい」「この人が力を出せる場をつくりたい」と本気で思っているか。その意思が、日々の言葉や態度に表れ、安心をつくります。

また、心理的安全性は関係性によって変わります。新しく入った人と、長く働く人では、同じ職場でも感じ方が違います。だから、一人ひとりとの対話が欠かせません。

5. 4つの要素で見る心理的安全性

心理的安全性を4つの要素で見る|哲学・戦略・組織・コミュニケーションは、すべて双方向につながっている
  • 哲学:組織が何のために存在するのか。存在目的があるから、自分で考えて動ける
  • 戦略:どんな組織でありたいかを選ぶ。正解は一つではない
  • 組織:安心と挑戦の両方がある環境。成長を願う上司の意思
  • コミュニケーション:一人ひとりとの対話。関係性が安心をつくる

4つは、おたがいに影響しあっています。


中小企業が、今日からできること

今日からできる3つの問い|「安心」と「挑戦」の両方があるか、社員を本気で成長させたいと思っているか、社員は、仕事で自分も幸せになれると感じているか

中小企業は、社長と社員の距離が近い分、心理的安全性をつくりやすい組織です。

社員の失敗を責める前に、「何に挑戦しようとしたのか」を聞いてみてください。社員が意見を言ったら、まず「ありがとう」と受け止めてください。その積み重ねが、人が育つ会社をつくります。

今日からできる、3つの問い

  1. あなたの会社は、「安心」と「挑戦」の両方がありますか?
  2. 社員一人ひとりを、本気で成長させたいと思っていますか?
  3. 社員は、この仕事を通じて自分も幸せになれると感じていますか?

よくある質問

Q. 心理的安全性とは何ですか?

組織の中で「ここにいていい」「意見を言っても否定されない」と感じられる状態です。ただし、居心地のよさだけでなく、挑戦できる環境と両方そろっていることが大切です。

Q. ティール組織とは何ですか?

一人ひとりが自分で考えて動き、組織全体が生き物のように環境に合わせて動く組織のことです。自分で考えて動くこと、その人らしさ、存在目的の3つが特徴です。

Q. 心理的安全性を高めるには、何から始めればいいですか?

上に立つ人が「この人を成長させたい」と本気で思うことです。そのうえで、一人ひとりと対話し、失敗を責めるより挑戦を認める言葉をかけていきます。

Q. 中小企業でもティール組織はつくれますか?

いきなり目指す必要はありません。組織のあり方に正解はないので、まず「自分たちはどんな組織でありたいか」を考えることから始めます。


この記事の内容は、YouTubeでもお話ししています。
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株式会社オムニモスーク 代表 安田旬佑