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クレドとは?リッツ・カールトンに学ぶ、社員が自分で動くクレドの作り方

この記事の結論
クレドとは、会社の信条を、社員が日々の行動の基準にできる短い言葉にしたものです。リッツ・カールトンもジョンソン・エンド・ジョンソンも、その言葉を公式に公開しています。私は、クレドを哲学を、組織が自分の判断で動ける形に落としたものだと読みます。社員が上司の指示を待たずに動けるかどうか。そこが、クレドが生きているかどうかの分かれ目です。

「クレドを作りたい」

そう考える経営者は、少なくありません。ここでは、リッツ・カールトンとジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が公式に公開している言葉をもとに、ほめる気持ちと学ぶ気持ちで、クレドを読んでみます。


1. クレドとは

クレドは、ラテン語の credo が語源で、信条・志・約束といった意味だと、人事の用語解説にあります(日本の人事部)。企業では、会社の活動のよりどころとなる価値観や行動の基準を、短い言葉にまとめたもの、またはそれを記したものを指します。

抽象的な理念と違って、具体的で、日々の行動に組み込むものとして使われる、という説明が一般的です。ただし、理念とほぼ同じ意味で使う会社もあり、定義が統一されているわけではありません。この記事では、「一般には」と断って読みます。

2. リッツ・カールトンのクレド

リッツ・カールトンの基本の言葉:クレド、モットー、サービスの3ステップ、従業員への約束(公式より)

リッツ・カールトンの公式の研修機関(Ritz-Carlton Leadership Center)は、同社の基本となる言葉を公開しています。主なものを並べます。

クレド
公式の内容(日本語は私の言いかえ):お客様への心からの心配りと、お客様の快適さが、最高の使命である場所

モットー
公式の内容(日本語は私の言いかえ):「We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentlemen.」=紳士淑女にお仕えする私たちも、紳士淑女である

サービスの3ステップ
公式の内容(日本語は私の言いかえ):①温かく誠実な挨拶(お客様の名前を使う)②お客様のニーズを先読みして満たす③心のこもった見送り(名前を使って別れを告げる)

従業員への約束
公式の内容(日本語は私の言いかえ):信頼・誠実・尊重・高潔さ・コミットメントを土台に、人材を力づけ育てる

サービスの価値観も公開されています。「私は、お客様の表に出た願いと出ていない願いに常に応える」「私は学び成長し続ける機会を持つ」のように、「私は」で始まる、一人称の宣言です。

ここからは私の読みです。モットーは、お客様を紳士淑女として迎えるだけでなく、働く自分たち自身も紳士淑女だと言っています。お客様への心配りと、働く人への敬意が、同じ一文に入っている。そう読めます。

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3. ジョンソン・エンド・ジョンソンの「Our Credo」

J&J Our Credoの責任の順番:患者・医師・看護師、社員、地域社会、株主(公式より)

J&Jの公式ページによると、同社のクレド(Our Credo)は、創業家のロバート・ウッド・ジョンソンが、1943年に、株式を公開する直前に自ら書いたものです。

責任の順番は、公式ページでは次のとおりです。

  1. 患者、医師、看護師など、製品やサービスを使う人々
  2. 世界中の社員
  3. 暮らし働く地域社会と世界
  4. 株主

最後の段落には、事業は健全な利益を上げなければならない、とも書かれています。公式ページは、このクレドを意思決定の指針とし、事業成功のレシピだと説明しています。

誰に対する責任を、どの順番で言葉にするか。 その順番が、会社の考え方そのものです。

4. クレドを、4つの要素で読む

私は、ブランディングとは経営の全てであり、その活動であると考えています。クレドは、4つの要素のうち、哲学と組織をつなぐ言葉だと読みます。

  • 哲学: 何のために存在するのか。クレドの言葉の元になります
  • 組織: 同じ方向を向いて、実現できるか。クレドは、社員が上司の指示だけでなく、自分の判断で動くためのよりどころになります
  • コミュニケーション: お客様に、どんな気持ちを抱いてほしいか。クレドを体現した行動が、お客様の印象をつくります
  • 戦略: どうすれば、戦わずに選ばれるか。クレドが示す「どう迎えるか」は、選ばれる理由になります

4つは双方向につながっています。クレドが哲学から生まれるだけでなく、現場でクレドを使った経験が、哲学の言葉を磨き直します。

戦わないブランディングの目で見ると、クレドは、他社が簡単にはまねできない、自社の「持つ力」を、社員の行動に落とす形だと、私は考えます。

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中小企業のクレドの作り方

中小企業のクレドの作り方

会社の規模は、関係ありません。やることは同じです。

  • まず、自社の哲学を一言で書く。 何のために存在するのか。クレドは、その言葉から生まれます
  • 次に、「誰に対する責任を、どの順番で言葉にするか」を決める。 お客様、社員、取引先、地域、株主。順番を決めることが、会社の考え方になります
  • 一人称の宣言にする。 「私は、〜する」と書くと、社員が自分の判断で動きやすくなります
  • 言葉にしたら、使う。 会議や判断の場で、クレドに照らして話してみる。使った経験から、言葉を磨き直します

クレドは、額に入れて飾るものではありません。使われて、はじめて生きる言葉です。

福岡の中小企業のブランディングについては、福岡のブランディング会社のページで、考え方と進め方をまとめています。


よくある質問

Q. クレドと、企業理念の違いは何ですか?

一般には、理念を、社員が日々の行動に使える具体的な言葉に落としたものを、クレドと呼ぶ会社が多いようです。ただし、理念とほぼ同じ意味で使う会社もあり、定義は統一されていません。

Q. クレドは、社員に唱和させるものですか?

この記事で確認できた公式ページには、唱和やカードの配布についての記載はありません。唱和するかどうかより、社員が自分の判断で使えるかどうかが大事だと、私は考えます。

Q. クレドは、何項目あればよいですか?

公式の例では、項目の数は会社ごとに違います。数より、一人称で、自分の判断に使える言葉になっているかを見てください。


この記事は、公式ページをもとに、私の見方で読み解いたものです。

出典:Ritz-Carlton Leadership Center「Foundations of Our Brand」 /Johnson & Johnson「Our Credo」https://www.jnj.com/about-jnj/jnj-credo /日本の人事部「クレド」https://jinjibu.jp/keyword/detl/207/

株式会社オムニモスーク 代表 安田旬佑