ブログ
ジョブ理論とは?ニーズとの違いを100均の例でわかりやすく
この記事の結論
ジョブとは、お客様が本当に片づけたい用事のことです。お客様自身も気づいていないことが多く、企業が解決方法を見せたときにはじめて「ニーズ」になります。お客様は商品を買っているのではなく、ジョブを片づけるために商品を「雇って」いるのです。
「お客様のニーズに応えているのに、なぜか売れない」
そんなときに役立つのが、ジョブ理論です。ニーズよりも一歩深いところにある、お客様の「本当の目的」に目を向ける考え方です。
この記事では、ジョブとニーズの違い、有名な事例、そして中小企業がジョブを見つける方法をお話しします。
1. ジョブとニーズの違い

ジョブとは、英語で「Job to be done(片づけるべき用事)」と言います。お客様が本当に解決したいことです。
ニーズは、そのジョブを解決する方法を企業が示したときに、はじめて生まれるものです。
身近な例で考えてみます。
- ジョブ:散らかった部屋に、足の踏み場をつくりたい
- ニーズ:棚がほしい。そのための板やネジがほしい
お客様が本当に欲しいのは「棚」ではなく、「片づいた部屋」です。棚は、そのジョブを片づけるために雇われた道具にすぎません。
2. 事例①:朝に売れるシェイク

ジョブ理論でよく知られているのが、マクドナルドのシェイクの話です。
なぜか、朝の時間帯にシェイクがよく売れる。調べてみると、車で通勤する人が、運転中の退屈をまぎらわすために買っていたことがわかりました。
- ジョブ:通勤中の退屈を解消したい
- ニーズ:シェイクを飲みたい
味を良くするより、「長く楽しめる」「片手で持てる」ことのほうが、このジョブには大切だったのです。
3. 事例②:QBハウスが選ばれる理由

10分ほどで髪を切れるQBハウスも、ジョブで考えるとわかりやすくなります。
お客様のジョブは、「おしゃれな髪型にしたい」ではなく、「お金と時間をかけずに、身だしなみを整えたい」です。
お客様に「雇われる」ためには、次の4つがそろっている必要があります。
- お金:安い
- 能力:仕上がりが十分
- 時間:時間がかからない
- アクセス:通いやすい
4. 事例③:洗剤のボトルの形

身近な商品にも、ジョブの視点は隠れています。
例えば、台所用洗剤のボトル。手が濡れていると、細いボトルはすべりやすい。そんな「濡れた手でも、しっかりつかみたい」というジョブを解決するために、つかみやすい形へと変わってきました。
5. 100円ショップは、ジョブ理論の宝庫

ジョブ理論を学ぶなら、100円ショップに行くことをおすすめします。
100円ショップに行くと、「あ、こんなものが欲しかった」と気づくことがありますよね。瓶のふたを開ける道具、料理をはさむための補助具。それまで自分でも気づいていなかったジョブが、商品になっているのです。
お店に行ってはじめてニーズが生まれる。まさに、ジョブ理論の実践例です。
6. 中小企業がジョブを見つける方法

では、自社の商品やサービスのジョブは、どう見つければいいのでしょうか。
① お客様が「どんな場面で」使っているかを観察する
何を買ったかではなく、いつ、どこで、どんな状況で使っているかに注目します。シェイクの例のように、意外な使われ方にジョブが隠れています。
② 「なぜ、それを選んだのか」を聞く
お客様に、他の選択肢ではなく自社を選んだ理由を聞いてみましょう。お金、能力、時間、アクセスのどれが決め手だったのかがわかります。
③ お客様の「困りごと」から考える
不便、不満、不安。お客様の困りごとの奥に、まだ解決されていないジョブがあります。
7. ブランディングの4つの要素とのつながり

ジョブ理論は、ブランディングの4つの要素(哲学・戦略・組織・コミュニケーション)のうち、戦略の考え方です。
- お客様のジョブがわかれば、伝えるべき言葉が変わる(コミュニケーション)
- お客様のジョブに気づくのは、お客様に一番近い現場の社員(組織)
- 「どんなジョブを解決する会社でありたいか」は、会社の哲学そのもの
そして、お客様の反応が、ジョブの読みが正しかったかを教えてくれます。4つは、すべて双方向につながっています。
今日からできる、3つの問い

- お客様は、あなたの商品を「何のために」雇っていますか?
- お客様が自社を選んだ決め手は、お金・能力・時間・アクセスのどれですか?
- お客様自身も気づいていない困りごとは、何でしょうか?
よくある質問
Q. ジョブ理論とは何ですか?
お客様が商品を買うのは、何かの用事(ジョブ)を片づけるためだ、という考え方です。ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授らが広めました。
Q. ニーズとジョブの違いは何ですか?
ジョブはお客様が本当に解決したいこと、ニーズはその解決方法が示されたときに生まれる「欲しい」という気持ちです。ジョブのほうが、より深いところにあります。
Q. 中小企業でもジョブ理論は使えますか?
使えます。お客様との距離が近い中小企業のほうが、お客様の使い方や困りごとを観察しやすく、ジョブを見つけやすいと言えます。
この記事の内容は、YouTubeでもお話ししています。
▶ 関連:ニーズとジョブの違い。100均がすごい理由(YouTube) https://www.youtube.com/watch?v=CPx71AhJfMk
▶ 関連:消費者インサイトとは?お客様の本音を見抜く方法 https://www.omnimosouq.jp/insight/
▶ 関連:ペルソナとは?理想の顧客像の作り方を解説 https://www.omnimosouq.jp/buyer_persona/
━━━━━━━━━━━━━━━
経営者のためのブランディング勉強会
▶ 公式LINE https://line.me/ti/p/%40758vveuo
安田旬佑の発信
YouTube https://www.youtube.com/@shunsukeyasuda
note https://note.com/omnimosouq
Instagram https://www.instagram.com/the.art.of.branding.2007/
X https://x.com/omnimosouq
━━━━━━━━━━━━━━━
株式会社オムニモスーク 代表 安田旬佑