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採用ブランディングで中小企業のミスマッチを防ぐ|採用は結婚

よく見せすぎる採用が、人を辞めさせています。

この記事の結論
採用ブランディングとは、会社の本当の姿と哲学を、ありのままに、一貫して伝えることです。よく見せようと飾ると、入社後のギャップで人は辞めていきます。理念に共感した人が入り、理念が深まり、活躍する人が増える。この流れをつくるのが、採用ブランディングです。

「求人を出しても、応募が来ない」
「やっと採用できたのに、半年で辞めてしまった」

中小企業の経営者から、本当によく聞く悩みです。

人が足りないと、ついホームページや求人票を「よく見せたく」なります。でも、私はそこに一番の落とし穴があると考えています。


1. 採用は、結婚に似ている

採用は、結婚に似ている|ギャップはゼロにできない。小さくすることはできる。

採用は、結婚に少し似ています。

最初は「やさしそうだな」「すてきだな」と思っても、一緒に暮らしはじめると、思っていたのと違うところが見えてきます。

会社と社員も同じです。入社する前に思い描いていた会社と、入ってからの会社には、必ずギャップがあります。

大切なのは、ギャップをゼロにすることではなく、小さくすること。そして、そのギャップを生むのは、多くの場合「よく見せすぎた」会社の側です。

2. 「よく見せる」採用が、人を辞めさせる

採用の伝え方|辞められる会社:実際よりよく見せる/辞めない会社:ありのままを、一貫して伝える

たとえば、体力が必要で、きびしい現場もある製造業の会社があったとします。

その会社のホームページに、華やかな写真と「活気あふれる、やる気のある社員が集まる会社です」という言葉だけが並んでいたらどうでしょう。

入社した人は、「話が違う」と感じます。そして辞めていきます。会社にとっても、入った人にとっても、不幸な採用です。

これは、ブランドの本質を分からないまま、表面だけを整えてしまうから起こります。採用ブランディングは、飾ることではありません。

3. 採用ブランディングとは何か

採用ブランディングの4つのねらい|興味を持つ人を増やす、合う人の割合を増やす、内定を受けてくれる人を増やす、入社した人が辞めにくくなる

採用ブランディングとは、自社の強みや哲学を、採用の場で、一貫して伝えていくことです。

ねらいは、次の4つです。

  • 会社に興味を持つ人を増やす
  • 会社に合う人の割合を増やす
  • 内定を受けてくれる人を増やす
  • 入社した人が辞めにくくなる

ここで大切なのは、「とにかく応募を増やす」ことではない、という点です。合う人に、正しく届くことが目的です。

4. 理念に共感した人が入ると、会社が強くなる

理念に共感した人が入ると起こる循環|共感した人が入る、理念が深まる、活躍する人が増える、また共感する人が集まる

理念に共感した人が入社すると、何が起こるでしょうか。

  1. 理念に共感した人が入る
  2. 社内で理念が深まり、浸透していく
  3. 自分で考えて動く、活躍する人が増える
  4. その姿を見て、また理念に共感する人が集まる

このように、良い循環が生まれます。

日本マクドナルドが2014〜2015年ごろに信頼を大きく落としたあと、立て直しの中で大切にしたのも、「品質・サービス・清潔さ」という変わらない価値観を、それを体現できる人を採用し、育て、現場に根づかせることでした。設備やメニューを変えるだけでは、ブランドは戻りません。最後にお客様と向き合うのは、現場の人だからです。

5. 社員の人生が良くなる、という視点

本当の姿を伝える理由|合う会社で働けることは、その人の人生が良くなること。

採用ブランディングを「会社のための人集め」と考えると、うまくいきません。

働く人にとって、自分の考え方に合う会社で働けることは、人生が良くなることです。毎日の仕事に意味を感じられ、自分の力を伸ばせます。反対に、合わない会社に入ってしまうと、本人の大切な時間を失わせてしまいます。

だから、会社の本当の姿を伝えることは、応募してくれる人への誠実さでもあるのです。

6. 中小企業の採用ブランディング、3つの進め方

採用ブランディングの進め方|哲学を言葉にする、ありのままを伝える、合う人を見きわめ、支える
  1. 会社の哲学を言葉にする:何のために存在し、何を大切にする会社なのか
  2. ありのままを伝える:良いところだけでなく、大変なところも正直に。働く人の声、仕事の一日を見せる
  3. 合う人を見きわめ、入社後も支える:数を追いすぎない。面接で哲学を語り、入社後も対話を続ける

ポイントは、応募の数ではなく、合う人の割合を見ることです。

7. 4つの要素で見る採用ブランディング

採用ブランディングを4つの要素で見る|哲学・戦略・組織・コミュニケーションは、すべて双方向につながっている

採用は人事の仕事に見えますが、ブランディングの4つの要素すべてにつながっています。4つは、おたがいに影響しあっています。

  • 哲学:会社が何を大切にするか。共感の土台
  • 戦略:どんな人と、何を実現したいのか
  • 組織:入った人が活躍し、成長できる環境
  • コミュニケーション:求人票、ホームページ、SNS、面接。すべてで同じことを伝える

今日からできる、3つの問い

今日からできる3つの問い|求人は、本当の姿を伝えているか、一緒に働きたい人に、どんな言葉を届けるか、辞めた人は、何にギャップを感じたのか
  1. あなたの会社の求人は、本当の姿を伝えていますか?
  2. 「この人と働きたい」と思う人に、どんな言葉を届けますか?
  3. 最近辞めた人は、入社前と後で、何にギャップを感じたのでしょうか?

よくある質問

Q. 採用ブランディングとは何ですか?

自社の強みや哲学を、採用の場で一貫して伝えていくことです。応募の数を増やすことよりも、会社に合う人に正しく届き、入社後に活躍してもらうことを目的にします。

Q. 中小企業でも採用ブランディングはできますか?

できます。大きな広告費は必要ありません。まず会社の哲学を言葉にし、求人票やホームページ、SNSで、ありのままの姿を一貫して伝えることから始めます。

Q. 採用のミスマッチを防ぐにはどうすればいいですか?

会社を実際以上によく見せないことです。良いところだけでなく、大変なところも正直に伝えることで、入社後のギャップが小さくなります。

Q. 採用ブランディングとインナーブランディングの関係は?

深くつながっています。理念に共感した人が入社すると、社内で理念が深まり(インナーブランディング)、活躍する人が増え、また共感する人が集まります。


この記事の内容は、YouTubeでもお話ししています。
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株式会社オムニモスーク 代表 安田旬佑