石村萬盛堂のブランディング|お菓子を売る前に、「日」をつくった福岡の老舗
この記事の結論
石村萬盛堂は、公式サイトによると、1977年に「マシュマロデー」を考えつき、1978年にキャンペーンを始めました。お菓子を売る前に、お客様がお菓子を買う理由になる「日」をつくったということです。そして、名前が変わっても、40年近く、同じ提案を続けました。つくることと、続けること。その両方が、ブランドになったと私は読みます。
3月14日は、ホワイトデーです。
公式サイトで、福岡の老舗、石村萬盛堂は、ホワイトデーの起源は、1977年に自社が考えついた「マシュマロデー」にあると説明しています。
それから40年以上。名前は「ホワイトデー」に変わりました。それでも石村萬盛堂は、お返しにマシュマロを贈ることを、勧め続けています。
公式の会社概要とホワイトデーの起源のページをもとに、ほめる気持ちと、学ぶ気持ちで読みます。
1. 沿革を並べる

石村萬盛堂の公式サイトから、主なものを並べます。
1905年12月25日
できごと:博多で創業(公式には「博多中対馬小路にあった川上音二郎の家屋にて創業」と記載)
1918年
できごと:「鶴乃子」の販売を博多駅で開始
1949年
できごと:福岡市博多区に本店を設立
1953年
できごと:博多大丸の開店に合わせ、洋菓子の製造を開始
1977年
できごと:「マシュマロデー」を考えつく(ホワイトデーの起源のページの記載)
1978年
できごと:「マシュマロデー」のキャンペーンを開始(会社概要の記載)
1987年
できごと:和・洋菓子の複合大型店「いしむら大橋店」を開店し、路面店を展開
2021年
できごと:「祝うてサンド」を発売。本店をリニューアルオープン
従業員は約320名(2024年3月末、会社概要)。創業から、120年を超える会社です。
2. 「お菓子」より先に、「日」をつくった
1977年に、石村萬盛堂が考えたのが「マシュマロデー」でした。公式サイトは、これがホワイトデーの起源だと説明しています。
この日が、何を売る日なのか。マシュマロです。ただ、提案しているのは、マシュマロそのものだけではありません。お返しをする日、という日の過ごし方です。
公式サイトによると、1978年の誕生以来、石村萬盛堂は、マシュマロデーを提案するポスターを作り続けてきました。約40年分の作品があり、公式の特設ページには19点が載っています。名前が「ホワイトデー」と呼ばれるようになったあとも、お返しにマシュマロを贈ることを勧めていた、と書かれています。
ブランディングの見方で言えば、市場を再創造するということです。新しい機能やベネフィットを入れるのと同時に、市場をつくりかえて、ニーズを生む。お菓子屋さんが、お菓子を売る前に、「お返しをする」という習慣を生んだ。
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3. 公開動画で話したこと
私は、公開しているYouTubeの動画で、この話をしたことがあります。バレンタインを仕掛けた人は偉い、と。そして、ホワイトデーを仕掛けたのは福岡の会社で、石村萬盛堂のマシュマロを売っている会社だ、と。
仕掛けた人が偉い、と私は言いました。この記事では、その理由を、公式の言葉で読み直しました。
4. 40年、同じ提案を続けた

名前は変わりました。その日の名前にも、自社の名前は付いていません。
それでも、40年近く、同じ提案を、ポスターで出し続けた。これが、私が一番大事だと思うところです。
ここからは、公式の言葉ではなく、私の読みです。つくったあと、名前が変わっても、同じ提案を続けた。続けることで、お客様の頭の中で、「お返し」と「マシュマロ」がつながり続ける。それが、ブランドです。
つくる戦略と、続けるコミュニケーション。 その両方が、年表の後ろに見えます。
戦わないブランディングの目で見ると、他社と同じ土俵で値段や味を競うより、自社が「入口」を持つ場面をつくる。石村萬盛堂の歩みは、その一つの形だと私は考えます。
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自社の「思い出される場面」を決める

お客様は、いつ、どんなときに、自社の商品を思い出すでしょうか。
- お客様が自社を思い出す「場面」を書き出す。 誕生日、記念日、季節の変わり目、仕事の区切り
- まだ決まっていなければ、自社が決める。 商品の前に、その「日」や「場面」に、名前を付けて提案する
- 一度決めたら、続ける。 名前が変わっても、同じ提案を続ける
石村萬盛堂のポスターは、続けた時間そのものが、証拠になっています。
福岡の中小企業のブランディングについては、福岡のブランディング会社のページで、考え方と進め方をまとめています。
よくある質問
Q. ホワイトデーの起源は、石村萬盛堂なのですか?
公式サイトは、1977年に自社が考えついた「マシュマロデー」が起源だと説明しています。この記事は、その公式の説明をもとにしています。
Q. 「続けることがブランド」は公式の言葉ですか?
いいえ。公式の記載ではなく、私の見立てです。
この記事は、石村萬盛堂の公式サイトをもとに、私の見方で読み解いたものです。
出典:石村萬盛堂「会社概要」 /石村萬盛堂「ホワイトデーの起源」https://www.ishimura.co.jp/whiteday/birth.html /安田旬佑の公開YouTube動画(2026年3月21日)の発言
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