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企業にはブランディングデザインが必要である
ブランド体系の基本的種類
①マスターブランド体系(ブランド・アンブレラ体系)
単一の事業を行う企業に多く見られるブランド体系です。その例として、ブランド認知の対象として、企業ブランドの知名度が高い企業に見られます。例えば、メルセデス・ベンツは、Aクラスとか、Gクラスなど、ブランディングの投資をマスターブランドに集中させることが出来ます。その結果、顧客にとってブランドは、企業の名称となっており、商品名にもなっているブランド体系です。
②個別ブランド体系(マルチブランド体系)
コーポレートブランドの存在感を表に出さずに、事業ブランド、プロダクトブランドやサービスブランドを個別に確立したブランドにする戦略です。この個別ブランド体系を再登している会社といえば、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が挙げられます。アリエールやボールドなどのファブリックケア、ブラウンやジレットのグルーミング、パンテーンやヴィダルサスーンなどのヘアケア、SK-Ⅱといったスキンケアまで幅広いラインナップがあります。この個別ブランド体系は、事業ポートフォリオを運用している企業に多く採用されています。
③サブブランド体系(複合ブランド体系)
日本では、サブブランド戦略を採用する企業は多いと言われており、任天堂、サントリー、ソニー、パナソニックなどが挙げられます。強みを持ったマスターブランド化したブランドを表に出して、サブブランドを展開していく手法になります。知名度の高い、マスターブランドからのアシストを受けて、サブブランドの知名度が挙げられるというメリットがあります。これは、そもそものマスターブランドの知名度が高くなければならないという前提条件は欠かせません。また、サブブランドが良い働きをしてくれることによってマスターブランドへの貢献もしてくれることになります。
ここで事例を詳しく考えてみたいと思います。パナソニックで言えば、レッツノート、ビエラ、ルミックスなどが該当し、ソニーで言えば、プレイステーション、ブラビア、ウォークマンがそれにあたります。このように、パナソニックやソニーブランドのアシストから始まったそれぞれのサブブランドですが、今となっては、サブブランドだけでも知名度が高く、同時にマスターブランドの支援を行うことに成功しています。
ブランド体系についてまとめると、それぞれの体系の優劣をここで論じることに意味はなく、各企業ごとの経営資源によって最適なものを選択することが大切であると考えます。中小企業の支援を行っていると、たくさんのブランドを立ち上げている飲食店が直面している課題として、店舗ブランドがばらばらで企業ブランドが認知されていないため、採用活動に苦労しているという相談を受けたことがあります。このように、それぞれの立場と時期によって課題も変わってきますので、何が正解ということではありません。しかし、ブランドを拡張していく際には、ぜひ経営戦略とともに深く考えるようにしてください。