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任天堂のブランディング|花札から136年、変えたものと残したもの

この記事の結論
任天堂は、1889年の花札から、2025年のNintendo Switch 2まで、つくるものも、社名も、材料も変えてきました。それでも続いてきたのは、何かを変えなかったからだと私は読みます。変えていいものと、変えてはいけないものを、先に分ける。 これが、中小企業にも持ち帰れる見方です。

1889年、京都。山内房治郎が、花札の製造を始めました。

それから136年。2025年、その流れをくむ任天堂が、Nintendo Switch 2を発売しました。

つくっているものは、紙の札から、ゲーム機に変わりました。社名も変わっています。何が変わり、何が変わらなかったのか。公式の年表で読みます。


1. 年表を並べる

任天堂の歩み:1889年の花札から2025年のNintendo Switch 2まで

任天堂の公式サイトの年表から、節目を並べます。

1889年
できごと:山内房治郎が京都市下京区で花札の製造を開始

1902年
できごと:日本初のトランプ製造に着手

1947年
できごと:株式会社丸福を設立(現・任天堂)

1951年
できごと:任天堂骨牌株式会社に社名変更

1953年
できごと:日本初のプラスチック製トランプの量産を開始

1959年
できごと:ディズニーキャラクターのトランプを発売

1963年
できごと:任天堂株式会社に社名変更(現在の商号)

1977年
できごと:家庭用テレビゲーム機「テレビゲーム15」「テレビゲーム6」を発売

1980年
できごと:携帯型「ゲーム&ウオッチ」を発売

1983年
できごと:「ファミリーコンピュータ」を発売

1985年
できごと:「スーパーマリオブラザーズ」を発売

1989年
できごと:携帯型「ゲームボーイ」を発売

2006年
できごと:「Wii」を発売

2017年
できごと:「Nintendo Switch」を発売

2024年
できごと:京都府宇治市に「ニンテンドーミュージアム」をオープン

2025年
できごと:「Nintendo Switch 2」を発売

1889年の花札から、1902年のトランプ。1953年には、日本で初めてのプラスチック製トランプの量産を始めています。1977年に家庭用のテレビゲーム機を出し、1983年にファミリーコンピュータ、1985年にスーパーマリオブラザーズ。札が、画面に変わりました。

2. 変わったもの

年表を、商品だけで見ると、変わったものがはっきり見えます。

  • 材料:紙から、プラスチック、そして電子の機械へ
  • つくる技術:まったく別のもの
  • 社名:丸福、任天堂骨牌、任天堂と変わりました
  • 形:携帯、据え置き、持ち運べる家庭用と、入れ替わっていきます

ここまでは、公式の年表に書かれている事実です。

▶ 関連記事:ブランドとは?ロゴではなく、お客様の心の中にある印象のこと

3. 変わらなかったもの(私の読み)

変えたのはシェフ(行う)、残したのはキッチン(持つ)(筆者の読み)

では、何が残ったのか。

ここからは、公式の言葉ではなく、私の読みです。年表を136年分並べると、どの商品も、遊ぶための道具だという並びが見えます。花札も、トランプも、ゲーム機も、遊ぶためのものです。

私はこれを、「シェフとキッチン」で読みます。お客様の目に見えるのは、シェフの仕事です。花札、ファミコン、Switch。時代ごとに、他社と違う遊びを「行って」きました。

変わらなかったのは、キッチンです。遊びをつくる力。他社と違うものを「持つ」部分で、まねされにくい。シェフの仕事が変わっても、キッチンが残っているから、次の遊びを出せる。そう読めます。

戦わないブランディングの目で見ると、時代ごとに商品の形を変えながらも、自社の「持つ力」を磨き続けることが、価格や数の競争から離れる道になる、と私は考えています。

▶ 関連記事:売上で悩んでいる企業こそ必要な“戦わないブランディング”とは


自社の「変えていいもの・いけないもの」を棚卸しする

自社の棚卸し3つ

任天堂ほどの規模はなくても、同じ見方ができます。

  1. 10年前に売っていた物と、いま売っている物を、全部並べる
  2. 変わった物と、変わらない物に分ける
  3. 物ではなく、何をお客様に届け続けてきたのかを、一言で書く

変わった物が多いほど、変わらなかった部分に、自社のキッチンがあります。それが言葉になっていれば、次の商品を考えるときに、迷いません。

名前や商品は、時代に合わせて変えてかまいません。変えてはいけないものを、先に決めておくことです。

福岡の中小企業のブランディングについては、福岡のブランディング会社のページで、考え方と進め方をまとめています。


よくある質問

Q. 任天堂は136年、同じ会社なのですか?

公式の年表では、1947年に株式会社丸福を設立し、これが現在の任天堂とされています。1889年の花札の製造から続く流れをくむ会社、と書くのが正確です。

Q. 「遊びを届ける会社」は、任天堂の公式の言葉ですか?

いいえ。公式の言葉ではなく、年表を並べたうえでの私の見立てです。


この記事は、任天堂の公式サイトの年表をもとに、私の見方で読み解いたものです。

出典:任天堂「沿革」
計算:1889年から2025年=136年。

株式会社オムニモスーク 代表 安田旬佑