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会社の魂とは|会社は無生物。魂を吹き込むのは経営者と社員

この記事の結論
会社は、それだけでは無生物です。魂を吹き込むのは、経営者と社員の意識。その魂の正体は、文化・社風・志といった、会社の見えない部分にあり、土台には哲学があります。そして見えない魂は、お客様の頭と心に残る印象、つまりブランドとして外に出ていきます。

会社は、それだけでは無生物です。そこに魂を吹き込むのは、経営者と社員の意識です。

登記をすれば、会社はできます。事務所を借り、看板を出し、名刺を刷れば、形は整う。けれど、その形が自分で考え、自分で動きだすことはありません。会社が生き物のように呼吸を始めるのは、そこで働く人の意識が注ぎ込まれたときだけです。


稲盛和夫さんに学んだこと

私はこの考え方を、稲盛和夫さんに学びました。経営者が自分の意志を会社に注ぎ込んでいる間、会社は生命を持つ。経営者が一個人に戻ってしまえば、会社は考えることをやめてしまう。そういう教えです。

会社の調子が悪いとき、私たちはつい、市場や景気や人のせいにしたくなります。けれど、会社が無生物なのだとしたら、そこに意志を吹き込む責任は、経営者自身にしかない。

私は、自分の言葉でこう書き残しています。器である会社に、魂を注がなければならない。それも、多くの社員が純粋な心で、利他の精神を集めて力にしていきたい。

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経営者がいなくなった会社で、起きたこと

この言葉を、私は身をもって知っています。

2013年に、私はニューヨークへ渡りました。支社を設立し、向こうに住んだのです。日本の会社は、仲間ならできるだろうと思っていた。一方的に、そう思いすぎていました。

私についていたお客様は離れ、売上は落ちていきました。そして最後の1人が辞めたとき、私は日本に戻りました。

一人で走っても、会社は崩れていく。あのとき身にしみたことです。器に意志を注ぎ続ける人がいなければ、会社は形だけを残して崩れていきます。

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魂の正体は、見えない部分にある

会社の強みは、見えない部分にある:見える→見えない→魂の芯と水面の下へ深くなる図

では、会社に吹き込む魂とは何か。

経営には、見えるものと見えないものがあります。売上、利益、設備、人数。これは見える部分です。一方で、文化、社風、組織としての意識、志。こちらは目に見えません。そして会社の強みになっているのは、この見えない部分のほうです。その土台には、哲学があります。

私は、大義こそが事業の魂だと思っています。この事業は、何のためにあるのか。その意義と目的です。何のための仕事なのかを、経営者が自分に問い続け、社員と分かち合い続ける。その積み重ねが、会社の魂になっていきます。

魂を吹き込むのは、社員も同じ

魂を吹き込むのは、経営者だけの仕事ではありません。経営者一人の意識では、会社のすみずみまでは届かない。ニューヨークで私が学んだのも、そのことでした。

会社の強さは、自分から燃える人材がどれだけいるかで決まります。社員一人ひとりが、何のための仕事かを自分の言葉で語れるようになったとき、会社は経営者がいない場所でも、同じ意志で動きはじめる。

だからこそ、まず経営者が燃えていなければならない。いま自分に必要なのは熱意だ。心と魂を燃やすことだ。私は、自分に向けてそう書いたことがあります。経営者が燃えていない会社で、社員だけが燃えることはありません。

魂は、ブランドとして外に出る

ここで、ブランドの話につながります。

ブランドは、お客様の頭と心にある、感情をともなった印象です。お客様は、会社の見えない部分を、直接は見られません。けれど、感じ取ります。電話の声の温度で。納品のときのひと手間で。困ったときの対応の速さで。

魂の入った会社は、その一つひとつに、同じ意志がにじみます。だから印象がぶれない。ロゴや広告は、その印象を思い出すための引き金です。引き金の先に魂がなければ、思い出す中身もありません。

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魂が入っているかを確かめる3つの問い

魂が入っているかを確かめる3つの問い

自分の会社に魂が入っているか。私は、次の3つの問いで確かめるようにしています。

  1. 大義の問い:この事業は何のためにあるのか。社長が、自分の言葉で、すぐに答えられるか
  2. 見えない部分の問い:社長がその場にいないとき、社員は社長と同じ判断をしているか
  3. 印象の問い:お客様が思い出す会社の印象は、どの社員と接したときも、同じ温度になっているか

1つ目に答えられなければ、魂の芯がまだない。2つ目が揺れていれば、魂が社員まで届いていない。3つ目がばらばらなら、魂がまだブランドになっていない。どこで止まっているかがわかれば、次に何をすべきかも見えてきます。

最後に

会社は無生物です。だからこそ、経営者と社員の意識しだいで、どこまでも生き生きとした存在になれる。

ニューヨークの経験で、私は一度、会社が崩れていく姿を見ました。そこから戻って、もう一度、器に魂を注ぐところから始めています。こうなりたいと純粋に思い続ければ、その思いと、身についた実力が、会社を動かしてくれる。私はそう信じて、今日も会社に意志を注いでいます。


株式会社オムニモスーク 代表 安田旬佑