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スローガン 例|味の素・パナソニック・キリンに学ぶ、理念を一言にする方法

この記事の結論
有名企業のスローガンを公式ページで読むと、どれも宣伝文句ではなく、理念を一言に凝縮した言葉です。味の素・パナソニック・キリンは、それぞれの公式ページで、その言葉に込めた意味を説明しています。私は、スローガンを哲学を、お客様にも社員にも届く短い言葉に変えたものだと読みます。自社のスローガン「戦わないブランディング」の考え方と合わせて、中小企業が作る方法まで整理します。

「スローガンの例を知りたい」

そう検索して、この記事にたどり着いた経営者の方に向けて、公式に公開されている言葉をもとに、ほめる気持ちと学ぶ気持ちで、読み解きます。


1. スローガンとは

スローガンは、組織の目標や理念、行動を促す合言葉、と説明されることが多い言葉です。キャッチコピー(短期の販売促進の言葉)やタグライン(長く使うブランドの言葉)と、呼び分ける解説もありますが、定義は出典によって揺れ、日常では混同されます。この記事では、呼び名より、何を約束し、誰を束ねる言葉かで読みます。

▶ 関連記事:スローガンとは?意味とキャッチコピーとの違い|自社の「戦わないブランディング」を例に

2. 公式ページで読める、スローガンの例

公式ページで読める、スローガンの例:味の素、パナソニック、トヨタ(企業チャレンジ)、キリン

味の素グループ
言葉:おいしさ、そして、いのちへ。(英文表記:Eat Well, Live Well.)
公式ページの説明(日本語は私の言いかえ):2010年4月1日に、新しいコーポレートスローガンとして導入。2009年の創業100周年を機に定めたグループ理念に基づき、次の100年の企業像と決意を表す

パナソニック
言葉:幸せの、チカラに。
公式ページの説明(日本語は私の言いかえ):2022年に発信。創業者が追い求めた「物と心がともに豊かな社会」を、今の言葉で示すもの。社員が考案した

トヨタ自動車
言葉:Start Your Impossible
公式ページの説明(日本語は私の言いかえ):2017年10月16日に、グローバルな企業チャレンジとして発表。社員が共通の方向を持ち、トヨタの目指す先を示すためのもの

キリンホールディングス
言葉:よろこびがつなぐ世界へ
公式ページの説明(日本語は私の言いかえ):2019年に導入(導入時期は資料で表記が分かれるため、年までを記載)。製品が届けるのはまず心と身体の健康、その先に人と社会のつながりがある、と定義し、それをまとめる言葉として「よろこび」を選んだ

トヨタは、公式ページで「企業チャレンジ」と呼んでいるため、この記事ではスローガンとは断定せず、グローバルな企業のメッセージとして並べています。

ここからは私の読みです。4社に共通するのは、宣伝のための言葉ではなく、経営の志や理念を、短い言葉に凝縮していることです。そして、お客様に向けるだけでなく、社員が共通の方向を持つための言葉として、公式ページが説明している点も目に止まります。

3. スローガンを、4つの要素で読む

私は、ブランディングとは経営の全てであり、その活動であると考えています。スローガンは、4つの要素のうち、哲学を、コミュニケーションに変える言葉だと読みます。

  • 哲学: 何のために存在するのか。スローガンの元になります(味の素は、創業100周年のグループ理念)
  • 組織: 同じ方向を向いて、実現できるか。スローガンは、社員が共通の方向を持つ言葉になります(トヨタ、パナソニック)
  • コミュニケーション: お客様に、どんな気持ちを抱いてほしいか。スローガンは、その気持ちを一言にします(キリンの「よろこび」)
  • 戦略: どうすれば、戦わずに選ばれるか。スローガンは、選ばれる場所を、一言で示します

4つは双方向につながっています。スローガンを使う経験が、哲学の言葉を磨き直します。

4. 自社のスローガン「戦わないブランディング」

自社のスローガン「戦わないブランディング」

私の会社のスローガンは、「戦わないブランディング」です。その意味を、私は次のように定義しています。

「ヒト・モノ・カネ・情報・顧客という自社の経営資源の最大化を図り、他社が模倣できない、顧客のベネフィットとなる独自性(自社の優位性)を磨くことで、突出したブランドを構築することである。それは持続的に企業に利益をもたらす源泉でなければならない。」です。

他社と同じ土俵で戦うのではなく、自社が選ばれる場所を決める。その考え方を、一言にしました。

戦わないブランディングの目で見ると、スローガンは、他社と目立ち方を競う標語ではなく、自社の考え方を、お客様と社員が同じ言葉で言えるようにする、ひとつの形だと、私は考えます。

▶ 関連記事:売上で悩んでいる企業こそ必要な“戦わないブランディング”とは


中小企業のスローガンの作り方

中小企業のスローガンの作り方

会社の規模は、関係ありません。やることは同じです。

  • まず、哲学を一言で書く。 何のために存在するのか。スローガンは、その言葉から生まれます
  • 社員が、自分の言葉で言えるか確かめる。 社員が使えない言葉は、スローガンとして生きません
  • お客様に抱いてほしい気持ちを、言葉にする。 キリンの「よろこび」のように、気持ちを一語にしてみる
  • 長く使う前提で決める。 公式ページの例も、経営の節目で見直されています。見直すときも、元の哲学は変えません

スローガンは、飾るものではなく、使われて、はじめて生きる言葉です。

福岡の中小企業のブランディングについては、福岡のブランディング会社のページで、考え方と進め方をまとめています。


よくある質問

Q. スローガンと、キャッチコピーは何が違いますか?

出典によって、呼び分けが揺れます。一般には、スローガンは目標や理念を示す合言葉、キャッチコピーは販売促進の短期の言葉と説明されます。

Q. トヨタの「Start Your Impossible」は、スローガンですか?

公式ページでは、グローバルな企業チャレンジとして発表されています。この記事では、スローガンとは断定していません。

Q. スローガンは、何年使うものですか?

この記事では、年数は示しません。公式ページの例では、経営の節目で見直されることもあります。


この記事は、公式ページをもとに、私の見方で読み解いたものです。

出典:味の素「2010年プレスリリース」 /パナソニック「公式ニュース」https://news.panasonic.com/jp/stories/17117 /トヨタ自動車 https://global.toyota/jp/detail/19134503 /キリンホールディングス https://careers.kirinholdings.com/corporate/slogan_pj.html

株式会社オムニモスーク 代表 安田旬佑