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経営にとても大事な無形資産「ブランドエクイティ」について

ブランドエクイティ(ブランド資産)とは:ブランドエクイティの構成要素5つ

D.A.アーカー伝えるには、ブランドエクイティというものは、5つの構成要素に分けることができます。

1、ブランド認知(Brand Visibility)
2、知覚品質(Trust & Perceived Quality)
3、ブランドロイヤリティ(Brand Loyalty)
4、ブランド連想(Brand Associations)
5、その他のブランド資産(Others)

1、ブランドエクイティの構成要素5つ:ブランド認知(Brand Visibility)

ブランド認知とは、その名の通りブランドがどれだけ認知されているかという指標です。ブランドのことを知っているというニュアンスではなく、visibilityという英語になっているので、どちらかというとブランド名を知っているというだけではなく「消費者が自分自身との関わりを感じながら認識している」というニュアンスに近いといえます。Brand Awarenessとは、アーカー自身が以前提唱していたコンセプトですが、Visibilityというニュアンスのほうが近いということでそう呼ばれています。

あなたはきっとアップルのことをご存知ですし、MACユーザーかもしれません。MACは優れたインターフェースと生活の一部となっている方も多いはず。つまり、認知という以上に認識されているという表現のほうがぴったり来ます。この認識のレベルが高ければ高いほど、パソコンを新たに買い直す際に、その候補にはいってくる可能性高いと言えます。

ブランド認知:ブランド助成想起

ブランド助成想起とは、あるブランド名を手がかりとして与えられた時、そのブランドへの認知を確認できることを助成想起といいます。「○○というブランドを知っているか」というように、提示されたブランドを既に知っていると確認できる状態です。ブランド再認とも呼ばれ、回答者のうち、助成想起した比率を助成想起率、あるいは認知率、再認知名率と呼びます。

助成想起よりも純粋想起の方が記憶の程度が強いと一般的に言われています。消費者は見聞きしたことがないブランドよりも知っているブランドを好みやすい(ザイアンス効果)ことから、数あるブランドの中から自社ブランドを選んでもらいやすくするためには重要な要素となります。

ブランド認知:ブランド純粋想起

純粋想起とは、製品に関する何らかのカテゴリーが与えられた時にブランドの再生が起きることです。例えば、「男らしいバイクと言えば〇〇」といったように、カテゴリーが与えられただけで、ブランド名を再生できる状態を指します。ブランド再認よりもブランド再生の方が、記憶の程度が強いといえます。

そして、ブランド再生は購買の際により選択されやすいと言われていますが、どのレベルにまで高める必要があるかは、製品によって異なるようです。ペットボトルのお水のように消費者の関与の低い商品(手軽に手に入る商品)では、ブランド再認が購買に結びつきやすいため、再認知名率アップを目標とする場合も多いです。一方、車や高級腕時計などブランドの関与が高い商品は、ブランド再生のレベルにないと購入の選択肢に含まれないため、再生知名率アップを目標とすることが多いです。

Facebookは、消費者をファンとして蓄積し継続的な接点を持つことで、認知、興味喚起の機会を増やし、想起率を向上・維持する効果が期待出来ます。ただ、友人・知人の推奨が購買行動に大きな影響を与えるソーシャルメディアでは、「○○さんが薦めてた商品」という曖昧な「ソーシャル想起」を、自社製品のイメージに紐付けていく新たな取り組みも必要です。

ブランド認知:ブランド第一想起率

「第一想起」と「助成想起」からマッピングし、消費者のマインドシェアを把握する分析手法があります。ブランドの「第一想起率」を横軸に、「助成想起率」を縦軸に取り、あるブランドへのマインドの「強さ」と「広がり」のポジショニングから視覚的に把握することができます。その分析は、「勝者(勝ち組ブランド)」「ニッチ(知る人ぞ知るブランド)」「レガシー(いにしえのブランド)」「マイノリティー(新興ブランドまたはマイナーブランド)」の4象限に大別されます。

「右上の象限:勝者」は市場で広く知られ、マインドシェアも高い「勝ち組」のブランドです。「右下の象限:ニッチ」は強いマインドシェアによってコアなユーザーを獲得しているが、まだ広く認知を獲得するまでには至っていない、いわゆる「知る人ぞ知る」ブランドです。「左上の象限:レガシー」はすでに市場で広まってはいるが、マインドシェアの強さに欠ける、いわゆる「いにしえのブランド」です。「左下の象限:マイノリティー」はまだまだ市場への浸透度が低く、マインドシェアも獲得できていない新興ブランドまたはマイナーブランドです。ブランド第一想起率は、「トップ・オブ・マインド」と呼ばれ、消費者のニーズが生じたときに一番最初に思い浮かべるブランドであり、市場シェアとの相関関係が高い指標とされています。

ブランド認知:ブランド支配想起率

ブランド支配想起率の高い事例は「トマトジュースといえば、カゴメ」「マヨネーズといえば、キューピー」「お好み焼きソースといえば、おたふく」などではないでしょうか。カテゴリーを提示した上で、生活者に何も提示しないまま知っているブランドを思い出してもらいます。その際に「一番最初に」自社ブランドの名前が挙がるところまでは「ブランド第一想起率」と同じといえます。

さらにブランド支配想起率は「自社ブランド以外は思い浮かべることができない」状態の人の割合を指します。企業としては、自社の商品・サービスがそのような存在になってほしいわけですが、ターゲットの中でブランド支配想起率をどのようにすれば向上するかという視点を持つだけで意思決定が変わってくるのではないでしょうか。まるで言葉がフレームワークのようですが、あなたはその言葉に当てはめるためにはどのように意思決定を行えばいいと思われますか?